胎児ドックの初期・中期それぞれの費用と内容は?
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最終更新日:2016/09/25
葉酸
胎児ドック。聞きなれない言葉かもしれませんが、これは近頃増えつつある、赤ちゃんがお腹にいる時に超音波診断装置(エコー)などを使って行う出生前診断のこと。
胎児スクリーニングと呼ばれることも多いようです。
エコーを使った診断なら、産婦人科で受診のたびに受けているけど?と疑問に思う妊婦さんも多いと思いますが、「胎児ドック」は普段行われている超音波診断とは異なるもの。もっと詳しく、時間をかけて、胎児の様子や発育・健康状況、先天性異常などがないかをチェックできるものなのです。
今回は、近頃受ける人が増えているという「胎児ドック」について、胎児ドックとは?というところから、検査できる時期、費用や内容などを詳しくご紹介していこうと思います。
もくじ
胎児ドックとは?
お腹の赤ちゃんはちゃんと健康に育っているのかな?
ほとんどの妊婦さんがこのような漠然とした不安や疑問を抱いていると思います。病院で健診などを受けているとはいえ、お腹の中の赤ちゃんの様子を正確に知ることは困難!大切な赤ちゃんが順調に育っているのか詳しく知りたい!と思うのは、親なら当然の気持ちだとお思います。
胎児ドックでは、胎児の形状や大きさなどをはじめとして、骨格・血管・脳・内蔵などの発育状況や、染色体異常、遺伝子異変などによる先天異常を超音波診断装置や血清マーカーなどで細かく調べることができます。
そのため、妊婦さんの不安や疑問を解消したり、赤ちゃんの様子を詳しく知ることができたりする検査として、近年人気が高まってきているのです。
胎児ドックは、何故増えている!?
もともとお腹の中にいる赤ちゃんの様子や発育状況などを知る方法として、「出生前診断」が行われてきました。
ただ、この「出生前診断」は胎児に奇形や病気、染色体異常などがないかどうかを調べるのが主な目的とされており、多少のリスクも伴うため、高年齢出産や妊娠の経過に心配がなければあまり行われてこなかったのです。
しかし、近年、イギリスなどで行われている、通常の妊婦健診とは別に胎児の発育や身体の構造のチェックを行う「胎児スクリーニングを受けるシステム」が日本でも取り入れられるようになり、「胎児ドック」と呼ばれ広まってきました。
それは、検査をきちんと行える高機能をもったエコー機械、超音波検査と説明にゆっくり時間をかけられる環境などが揃い、胎児ドックを行える施設が増えてきたこと。
他の出生前診断と違って危険性がほとんどないのに信頼性が高いことや、検査結果が早く出るということが普及の一因ではないかと思われます。
また、医療の発達によって、胎児であっても専門医の治療や処置が可能になったことも、胎児診断が進んだ一因と言えるでしょう。
胎児ドックを受けられる時期は?費用は?病院は?
では続いて、胎児ドックを受けられる時期や費用、病院などを具体的に見ていきましょう。
検査できる時期は?
胎児ドックは、検査を受けられる時期が決まっています。
1つが、妊娠初期(11週~13週頃)に受けられる「初期胎児ドック」。
2つめが、妊娠中期(18週~21週頃)に受けられる「中期胎児ドック」です。
最近では、妊娠後期(29~30週頃)に受けられるものも出てきているようですが、胎児ドックとして広く行われているのは初期胎児ドックと中期胎児ドックの2種類のようです。
検査費用は?
胎児ドックは、保険対象外であるため全額自己負担となることがほとんど。検査機器や項目などによっても費用は異なるそうですが、平均すると1万~2万円。高いところでは4万~5万円になるところも。
ただし、検査結果で母体や赤ちゃんに何らかの医療処置や治療を行った場合は医療費控除の対象になることがあるそうです。
その他、自治体によっては妊婦検診費用助成の対象としているところもあるようですが、まだまだ少ないようですね。
検査をできる病院は?
胎児ドックを実施している施設は総合病院、大学病院、地域の産婦人科病院、専門病院など多岐にわたっており、増えてきているようですが、まだまだ少なく、予約をとるのが難しいというのが現状のようです。
かかりつけの病院で胎児ドックを実施していればいいのですが、別の病院にかからなければいけないという時は検査を受けられる時期が決まっているので、早目に予約を取るようにしましょう。
また、病院によっては、かかりつけ医の紹介状が必要なところもありますので、注意してください。
また、検査結果の正確さは、機器の性能や検査する側の能力にも関係するようです。信頼度の高い検査結果を求めるなら、胎児ドックの実績がある、もしくは民間資格の「超音波検査技師」や「超音波専門医」などがいる病院を選ぶのがいいでしょう。
胎児ドックの検査方法や項目は?その目的とは?
現在、広く行われている胎児ドックは、初期胎児ドックと中期胎児ドックの2種類。その検査方法や項目、主な目的などについてご紹介しましょう。
初期胎児ドック
【検査を受けられる時期】 妊娠11週~13週頃
【主な目的】
胎児の発育状況、胎児疾患、染色体異常などのリスクの確率を調べる
【検査方法】
初期精密超音波検査
血清マーカーでのリスク判定
カウンセリング
【検査項目】
NT計測
鼻骨・脳・心臓・横隔膜・四肢などの外的な形態異常の有無
内臓・骨の形態異常の有無
へその緒の血流・静脈の血流 など
初期胎児ドックの主な目的は、胎児の発育状況や胎児疾患の他に、染色体異常などのリスクの確率を見るもの。ダウン症候群、18トリソミー、13トリソミーの染色体異常の可能性を見ることができるそうです。
ただし、これは可能性を測るだけであって、確定ではありません。そのため、染色体異常の可能性が高いとされた場合は、絨毛検査や羊水検査などの他の出生前診断を行い、確定診断を行う病院が多いそうです。
また、NT計測とは、胎児の首の後ろの皮下にある黒く抜けている部分の大きさを測るもので、首の浮腫みのチェックです。この検査はこの時期にしかできないと言われています。
中期胎児ドック
【検査を受けられる時期】 妊娠18週~21週、25週頃
【主な目的】
胎児の先天性疾患・形態異常のチェック
胎盤・臍帯・子宮頸管の異常の有無
【検査方法】 超音波検査 カウンセリング
【検査項目】
胎児の外的な形状や大きさ、発育状況、異常の有無
骨格・血管・脳・内臓などの発育、異常の有無
胎盤・へその緒・血流の異常の有無 など
妊娠中期の胎児ドックの主な目的は、妊娠継続に関わる母体のチェックの他に、胎児のうちに異常を見つけることで、妊娠中から治療を可能にし、さらに出生後すぐから適切な処置や治療などを受けられるように準備をするためだと言われています。
また、検査を受けられる時期は21週頃までとする病院と、25週頃がもっとも胎児の心臓や内臓の様子が見やすいとする病院とで分かれるようです。
その他、妊娠後期(29~30週頃)に行う胎児ドックでは、外的・内的の異常のチェックの他にも、脳のしわなどのチェックもできるのだとか。脳のしわは、妊娠28週以降にしかはっきりとわからないそうです。
胎児ドックでもし異常が見つかったら?
胎児ドックは出産前に異常を見つけることで早い段階での治療や適切な処置が受けられるというメリットがある一方で、もし異常が見つかったらどうするのか?という問題についても家族でよく話し合っておくべきだと思います。
胎児ドックで異常が何も見つからなければ安心ですが、必ずしも安心が手に入るとは限らない、また、診断結果も100%ではないということを念頭に置いて、胎児ドックを受けるかどうかを判断していただけたらと思います。
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