葉酸は、妊娠を考えている女性に必須といってもいいほど大切なものです。しかし、葉酸はサプリメントや食べ物から摂取しないと人間の体ではつくられないのでしょうか。

答えは半分正解です。

私たち人間は葉酸を自ら作ることはできません。その代わり、腸内細菌が葉酸合成を手助けをしてくれています。葉酸を合成する腸内細菌が存在しているからといって、これから妊娠しようとしている女性にっとって充分な葉酸が合成される訳ではありません。

しかし、葉酸を合成する腸内細菌がいないとせっかく、妊活のために葉酸を摂取しても充分な葉酸を得ることができません。よって、腸内の環境を整えることはこれから妊娠を考えている女性にとって大切なことなのです。

ここでは腸内細菌をどう役立てれば葉酸のサプリメントを摂取したときに、妊活の効果を発揮できるのかについて解説していきたいと思います。

葉酸をつくるためにも、健康にも関係する腸内フローラ

腸内環境について理解するとき、腸内フローラという言葉を最近、よく耳にします。

私自身、「ヨーグルト等の乳製品を摂ると腸内環境がよくなる」「オリゴ糖は腸内環境を良くするためにいい」「腸内フローラが健康のために大切だ」とドラックストアやCMで目にしたり耳にしたりすることは多いです。

スーパーやドラックストアでも様々な善玉菌入り食品が売られています。ただ、種類がありすぎてどれがいいか選ぶのに困る方が多いと思います。これらの商品は腸内の環境を良くしようという目的のためにヨーグルトという食品を食べるということに加えた効果を狙った食品です。

結論から言うと、これらの食品のどれがいいとは断言できません。それは、人それぞれの腸内には異なった細菌が存在していて、それらを細菌叢といいます。人それぞれが異なった細菌叢を持っているため、人それぞれ合う製品と合わない製品があるのです。

腸内細菌叢を理解するにはまず、腸内フローラ」という言葉を理解しなくてはいけません。

そもそも「腸内フローラ」とはなんでしょうか。聞いた感じではとてもいいものに聞こえます。

しかし、腸内フローラ自体は良いものでも悪いものでもありません。

私たちの体の中には約1000兆、約1000種類の細菌が小腸から大腸にかけて住んでいます。約1000兆の細菌が人間の腸の壁にひしめき合い、へばりついているのです。重さにすると約1.5~2キロになります。驚きですね。

顕微鏡でその姿を除くとまるでお花畑(英:flora)に見えることから腸内フローラと呼ばれています。

つまり、腸内フローラは人間の腸に細菌がくっついている様子を表現した単語です。

このような腸内フローラですが、体内に膨大な数存在するだけあって、私たちの健康に大きく関わっています。いいお花畑であれば私たちの健康状態は良好になり、悪い雑草混じりのお花畑だと健康を損ねることになってしまいます。

良いお花畑では葉酸をつくってくれます。それだけでなく、その他のビタミンや幸せホルモンであるセロトニンも作ってくれます。良いこと尽くしです。

しかし、悪いお花畑では葉酸もその他の良い物質も作られません。腸内フローラを改善することは特に妊娠を考えている女性にぜひ、してもらいたいことです。

腸内環境を良くする「善玉菌」

現代人の腸内環境は、昔に比べて悪化しています。それは、食の欧米化や、野菜不足、ストレスにより現代人の腸内環境が悪化するためです。

そもそも「腸内環境がいい」とはどのような状態でしょうか。

腸内環境は善玉菌、悪玉菌、日和見菌(どっちでもない菌)によってつくられています。腸内の中の大多数は日和見菌(どっちでもない菌)が占めています。そして、残りを悪玉菌、善玉菌が占めているのです。

腸内フローラがいい状態、つまりいいお花畑には悪玉菌より善玉菌が多いです。この反対に腸内フローラが悪い状態、つまり悪いお花畑は悪玉菌の割合が高いです。

善玉菌とは

そもそも「善玉菌」とはなんでしょうか?

善玉菌は大きく分けると「ビフィズス菌」と「乳酸菌・酪酸菌」に分けられます。

善玉菌の主役がビフィズス菌でサポートをする役目が乳酸菌・酪酸菌です。

 

腸内フローラを良くするためにするべきこと

腸内フローラが悪い状態で葉酸のサプリメントを摂取したとしても、充分な量の葉酸を摂取できません。葉酸のサプリメントの摂取量はあくまで腸内環境が正常な人に対して記載されています。現代人はなにかと、腸内環境を崩しやすいです。

事実、便の調子が悪くて肌荒れをしやすく、ガスが溜まりがちな方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここではどうしたら腸内フローラをいい状態にできるか、また、どうしたら腸内フローラが悪化してしまうか記述していきたいと思います。

・食物繊維を摂る

食物繊維は善玉菌の栄養源になります。そのため、食物繊維を意識して摂る事は善玉菌を増やすことにつながります。

食物繊維というと野菜サラダを想像する方も多いと思いますが、野菜サラダの定番のキャベツ、キュウリ、トマトには食物繊維は少ないです。

食物繊維が多い食べ物には、豆類、干しシイタケ、切り干し大根、ゴボウ、海藻類、コンニャクなどです。

・オリゴ糖を摂る

腸内フローラを改善するためには、悪玉菌が住みにくい環境をつくることが大切です。そのためには善玉菌の餌になる「オリゴ糖」を摂取することで善玉菌を増やし、元気にさせ、悪玉菌を追いやることがでします。

オリゴ糖は直接摂取することもできますが、ネギや玉葱、ゴボウ、アスパラガス、大豆、牛乳、バナナに多く含まれています。これらの食品は積極的に食べることをお勧めします。

上記の「食物繊維を摂る」「オリゴ糖を摂る」ことは直接善玉菌を取り入れるわけではないですが、善玉菌の餌になる食品です。これら、善玉菌の餌になるものを「プレバイオティクス」といいます。

・善玉菌を摂る

数が多いものは勝つという原理ですね。日常的に、ビフィズス菌など善玉菌のサプリメントを摂取していると善玉菌の量が増えるので悪玉菌は相対的に少ない状態になります。

また、食品としてはヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆、漬物、味噌、チーズ、キムチなどの発酵食品を積極的に食べるといいです。

善玉菌とはそれぞれ一種類ではありません。例えば、乳酸菌は約300種類存在します。

善玉菌の餌になるものを「プレバイオティクス」というのに対し、直接生きた善玉菌を摂る事を「プロバイオティクス」といいます。

・生活習慣を改めストレスをためない

腸内細菌はとても敏感な生き物です。その繊細さは私たちの精神状態とも関係していて、ストレスや睡眠不足な状態が続くと善玉菌は死んでしまいます。

そのため、腸は「第二の脳」ともいわれているのです。

いい腸内環境を保つためにも生活習慣を改め、ストレスはためないようにしましょう。

腸内フローラを悪くしてしまうこと

・肉を中心とした食生活

善玉菌の餌がオリゴ糖であることに対し、悪玉菌の餌は腐敗したたんぱく質です。肉類や魚はからだには大切な食べ物ですがあまり、食べすぎは禁物です。さらに野菜を食べない食生活を続けていると腐敗が進み、悪玉菌が増えた状態になります。

・抗生物質の乱用

日本では抗生物質の乱用が問題になっています。特に、風邪で抗生物質が処方される日本は抗生物質乱用大国です。そもそも「ただの風邪」の原因はほとんどがウイルスが原因であり抗生物質を服用したところで効果はありません。

医療保険制度がある日本だからこそ、気軽に抗生剤が処方さえ、こういった薬の無駄使いが起きてしまうのです。

抗生物質が効果がないということだけであるなら、さほど問題にはなりません。しかし、この抗生物質は腸内フローラを崩して、腸内のお花畑を荒野へと変えてしまうのです。

バイオジェニックス

これまでは、腸内フローラが腸内環境の改善に役立っているという説明をしました。しかし、この腸内フローラとは関係なく腸内環境を改善するものがあるということも明らかになっています。

よく「生きたまま腸に届く」と唱っている商品がありますが、生きた菌(プロバイオティクス)が腸内に届いても数が少なければ人の腸内フローラへの仲間入りが果たせず、死んでしまうことが大半であると研究で明らかになっています。

では、大量の生きた菌を摂取しなければいけないのかということになりますが、ヨーグルトや普段の食生活では限度があります。

そこで、さらに実験で明らかにされたことですが、死んだ菌でも生きた菌と同等に腸内環境を改善してくれることが明らかになってきました。つまり、腸内フローラには参加できない死んだ善玉菌も摂取する意味があるのです。

死んだ善玉菌を摂取することにより、腸内環境を整える方法は、腸内フローラとは関係ないので「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」とは別に「バイオジェニックス」といいます。

腸まで、生きたまま届く菌を摂らなくても、生きた菌と同様、死んだ菌からでも葉酸を得ることができます。バイオジェニックスも、葉酸を合成する助けとなる大切なものなのです。

腸内環境を整えることはプレ妊活

葉酸のサプリメントは、妊娠を予定する女性は摂るべきだという事はご存じの方が多いと思います。ここでは妊娠する女性にもう一つ、名付けて「プレ妊活」をおすすめします。

前述のように、腸内環境を良くする方法は説明しました。この中でどれが一番の効果的かと決めることはできません。なぜなら、人の腸内フローラに住む腸内細菌叢は繊細なものである上に、人によって違います。

ですので腸内フローラを良くする生活を心がけ、いろいろな食品を試してみてください。

腸内フローラが改善されてくると、便の調子がよっくなったり、ガスが溜まりにくくなる為、自身で実感が持てます。

妊娠に向けて葉酸のサプリメントを購入しようと妊活を検討している女性に、腸内フローラを改善することも妊活の前に行う「プレ妊活」として心がけてみてください。

まとめ

葉酸のサプリメントを摂る事は妊娠を考えている女性には必須な事です。葉酸サプリメントの摂取に加え、生活の中に腸内環境を良くすることを心がけてみるとさらに健康的な赤ちゃんを産む手助けになってくれると思います。

腸内環境を改善したからといって、妊婦にとって充分な葉酸を善玉菌が作ってくれるとは限りません。腸内環境を改善してから、葉酸サプリメントを摂取することに意味が入ります。

どうか、この記事を読んで腸内フローラへの理解を深め、さらにバイオジェニックスによっても腸内環境は改善されることを理解して頂ければ幸いです。