子育て世代に人気の学資保険!しかし、学資保険は必要ない!という意見も、ちまたではよく聞かれます。

学資保険は本当に不要なのでしょうか?それともやはり必要なのでしょうか?
今回は、この「学資保険は必要か?不要か?」という問題について、切り込んでみたいと思います。

学資保険は必要?不要?

学資保険とは、子どもの将来の教育費や学費に備えるために積み立てる貯蓄型の保険のことです。プランによって満期となる時期や内容は異なりますが、多くの場合、進学のタイミングや、一番お金がかかると言われる大学の入学時に必要な学費を用意するために積み立てる=学資保険をかける方がほとんどではないでしょうか?

大学進学にかかるお金とは?

それでは、大学に進学するためにかかる金額とはいくらぐらいなのでしょう?
独立行政法人日本学生支援機構の「平成24年度学生生活調査結果」によれば、

●学費(授業料・その他の学校納付金+修学費・課外活動費・通学費)

 国立:  673,700円
 公立:  682,100円
 私立:1,319,700円 【平均:1,175,500円】

●生活費(食費・住居・光熱費+保健衛生費・娯楽・し好費・その他の日常費)

 国立:  890,200円
 公立:  790,100円
 私立:  657,500円 【平均:704,600円】

という結果が出ています。つまり、子どもが大学に進学した場合、国立・公立・私立を平均すると、学費に約118万、生活費に約70万がかかるということ。合計すると、1年間で約188万が必要ということになり、4年間とするならば752万にも上ることになるのです。

学資保険が不要なケースとは?

このように大学に進学する際には多くの費用が必要になりますが、既に子どもの教育資金や大学の進学資金が用意できている、もしくは用意できる目途がついているという方は学資保険で費用を積み立てる必要はないと思います。

また、学資保険といえども保険であることには変わらず、そこにはリスクというものがつきものです。例えば、保険会社が倒産した時や保険金の運用がうまくいかずに元本割れした時など。このようなリスクを嫌う方には学資保険は向かないと言えるのではないでしょうか?

私が学資保険は必要と考える4つの理由!

学資保険が必要でない方は確かにいらっしゃると思います。がしかし、私個人としては学資保険は必要であると考えていますし、実際に加入しコツコツと積み立てています。
それはどうしてなのか?その理由についてご紹介していきましょう。

確実にお金が貯められる

学資保険のいいところ。それは、確実にお金が貯められるということ。
私は意思が弱いため、素敵なものやいいなぁと思うものがあるとつい手が伸びてしまう人間です。その結果、しばしば家計は赤字となってしまい、緊急的にこっちの口座から、またはあちらの口座からお金を引き出すことも珍しくありません・・

ですが、こんな私でも学資保険には一度も手をつけていません。
というのも、手が付けられないのです。

当たり前ですが、学資保険はただの貯金ではなく保険商品なので、引き出す際は解約をするか、もしくは一時貸付という形を取る必要があるのです。つまり、引き出す手続きが面倒なのです!これが、私の第1のストッパーになっています。

2番目のストッパーは、学資保険を途中で解約すると損をしてしまうからです。
学資保険は貯蓄性が高い保険であるため、元本(払い込んだ金額)よりも満期に返戻金として戻ってくるお金が高くなることが多いのです。銀行でいうと利子がついて戻ってくるイメージでしょうか。

しかし、中途解約をすると、それまでに払い込んだ金額よりも少ない額しか返ってこない!これでは貯蓄と思って積み立てた意味がありません。

また、私の3番目のストッパーとして働いているのが、子どものためにきちんと学費を用意してあげたいという意識。学資保険という名前もありますが、時々家計が赤字でも、やりくりに四苦八苦しても、やっぱり子どものためにしっかりと学費や教育費を用意し、子どもに不自由のない学習環境を整えてあげたいという親としての責任感が強くあります。

子どものためにちゃんとお金を用意してあげたいけど、
すぐに引き出せる銀行預金などではきちんと貯めていける自信がない・・

私を含め、このような方には、学資保険はおすすめだと思います!

親に何かあった時でもお金が受け取れる

「学資保険は妊娠中で出産前でも加入できる?」記事にも書きましたが、学資保険の最大のメリットの一つ!それは、契約者である親が死亡したり、高度障害状態になってしまったりした場合、「保険料の払い込み免除特約」の規定によって、以降の保険料が免除となり、当初のプラン通りお金が受け取れるという点。これは仮に出産前であったとしても、契約が済んでいれば適用されます。

うちの場合、子どもの学資保険の契約者は夫ですが、もし家計の大部分を担っている夫に万が一のことがあった場合、それまでの生活水準を維持すること、保険料などを払い込んでいくことは難しくなると思います。

しかし、学資保険のほとんどに付加されている、この「保険料の払い込み免除特約」があれば、とりあえず子どもの学費だけは確保できることになるのです。これは大きいと思いますね。

ただ、既に契約しているパパやママの生命保険などの保障によって、自分達に何かあっても子どもの学費などが十分に用意できるというご家庭であれば、学資保険の「保険料の払い込み免除特約」は必要ないということも言えるでしょう。

学資保険に加入するのもしないのももちろん自由です。ご家庭の保険契約の内容などをよく考慮して比較・検討されるのがベストだと思います。

払い込んだ金額より多く返ってくる!?

学資保険は、商品にもよりますが、貯蓄性が高い保険です。そのため、自分で支払った保険料の総額(元本)よりも満期に受け取る金額が高くなることがあるのです。

実際に学資保険の広告には「戻り率 108%」などと謳ってあります。これは、元本を100とした場合、満期金が108になるということ。特に低金利の時代であれば、積立貯金などに比べてもかなりの利息率と言えるのかもしれません。

ただし、注意したいのは元本が保証されていないという点です。
元本を保証している商品も出てきてはいますが、そもそも保険というのは金融商品です。そのため、金融市場の影響を受け、保険会社の運用がうまくいかなかった場合、満期金が元本よりも少なくなってしまう「元本割れ」を起こす可能性も0ではないのです。

また保険会社の倒産も怖い点。保険会社が倒産すると、契約していた満期保険金を下回る恐れが出てきてしまいます。大きな会社でも倒産してしまう時代にあっては、自分達の保険会社だけが絶対安全とは言い難く、これらの点を重大なリスクとして受け止める方には学資保険は向かないかもしれません。

しかし、私はこれらの点は十分に実績があって経営が安定し、ネームバリューのある保険会社を選ぶことで、ある程度防げるのではないかと思います。保険会社の健全性を示す『ソルベンシーマージン比率』を参考にするのもいいかもしれません。

経営が安定し、業界でも名の通った保険会社であれば、運用実績もあり、元本割れや倒産を引き起こす可能性も少ないでしょう。また、倒産という最悪の事態に至っても、契約者の利益を守るための救済措置は用意されています。その場合、保険金の9割まで保護される仕組みとなっています。1割減はかなりの痛手ですけれどね・・

また、戻り率が期待したより少なかったり、多少、元本割れをしたりしても、学資保険をかけていた期間の万が一の保障を買っていたと思えば、腹が立つこともあまりないのかも・・と私は思います。もちろん、大きく目減りしたら、やっぱり怒ると思いますけど!!

税金面での優遇がある

学資保険はただの貯蓄と違って、保険商品であり、生命保険の一種です。そのため年末調整などで所得控除の対象になります。所得税は4万円、住民税は2万8千円までが保険料控除の対象となり、毎年税金が軽減されるのです。

また、学資保険などを満期で受け取る際、その満期金は「一時所得」に数えられ、税金がかかる対象になるのですが、

満期保険金ー払込保険料ー50万円=一時所得金額

という計算式に基づくと、満期保険金が払い込んだ総額より50万円以上多くない限り、一時所得金額はマイナスになり、税金がかかることはないのです。
税金面での優遇は、嬉しいですよね!

いかがでしたか?学資保険の要・不要について、私の考えも交えて踏み込んでみました。ご家庭によって考え方は様々ですが、皆さんの参考になれば幸いです!