妊娠中、「お腹が張る」というのはよく聞かれますが、時には流産や早産などのトラブルの予兆にもなりうると広く知られているため、「お腹の張り」はちょっと心配な症状の一つに数えられると思います。
しかし、その一方で、妊婦さんに多い「便秘」。この「便秘」でもお腹が張ったような感じがするため、自分の「お腹の張り」が便秘によるものなのか?そうでないのか?よく違いがわからない・・という妊婦さんは多いようです。
そこで今回は、ずばり「妊婦の便秘と妊娠中のお腹の張りの違いとは?」というテーマでお送りします。妊娠中の「お腹の張り」と便秘の「張り」の違い、心配な「お腹の張り」とは?という、妊婦さんの不安を一気に解消していく回になっています。
是非、最後までご覧くださいね!
もくじ
便秘と妊娠中のお腹の張りの違いとは?
では、「便秘」と妊娠中の「お腹の張り」の違い、どこで見分ければいいのでしょうか?「お腹の張り」の原因を知って、その違いを把握していきましょう。
「お腹の張り」の原因とは?
妊婦さんの「お腹の張り」は、その多くが子宮の収縮によって起こります。
何故なら、子宮は筋肉でできており、普段は緩んでいますが何らかの刺激によってキュッと収縮することがあるからです。この収縮を妊婦がキャッチすると、「お腹が張っている」と感じる・・というわけです。
特に、妊娠中期の20週を過ぎると、1日に4~5回、多い時は7~8回「お腹の張り」を感じるというプレママが多くなってくるそうです。
これは、子宮が出産に備えて収縮・弛緩を繰り返すため、もしくは長時間同じ姿勢を取っている、立ち続けている、家事や運動をした時や、疲れやストレスなどの様々な要因がきっかけとなって生じると言われています。
しかしながら、これらの「お腹の張り」は妊婦の生理現象であることが多く、しばらく身体を休めれば張りが治まることがほとんどです。
便秘の「張り」との違いは、固いかどうか
しかし、妊婦さんに多い便秘が「お腹の張り」の要因になっている場合、少し勝手が違ってきます。その原因が子宮の収縮にないので、身体を休めても張りが取れないことがあるからです。
この便秘による「張り」と子宮収縮による「張り」の違いは、お腹を触ってみると固いか、どうかで判断できます。
子宮収縮による「張り」は、普段はやわらかいお腹が固くなっているはずです。例えるなら、腕に力を入れて力こぶを作った時のような筋肉の固さです。また、お腹が張っていく時に「カチカチカチ・・」と音を立てて固まっていくような感覚を感じる方も多いです。
また、痛みがないのも特徴の一つです。
一方、便秘による「張り」は、子宮の収縮ではないので、お腹は固くなりません。そして、カチカチになる感じもしないと思います。ただ、お腹に痛みがあったり、お腹が張ったような膨満感が感じられたりすると言われています。
ただし、頑固な便秘が原因となって、子宮の収縮を招く時もあるようです。
その場合は、お腹が痛む上に、休んでも治らず、カチカチと子宮が固くなる感覚もあるという症状になることも。プレママの中には、便秘が解消したら、痛みとお腹の張りの両方とも一緒に解消されたという話も聞かれます。
ただし、通常、痛みが治まらず、休んでも張りが治らない場合は、便秘以外の、流産や早産などの予兆ということも考えられます。まずは自己判断せずに、病院で診断を受けるようにしましょう。
「お腹の張り」対策は?
しばらく休めれば治まる「お腹の張り」。この対策以外にも、張りがひどい場合は、病院で「張り止め」のお薬を貰うことができます。ただ、このお薬の副作用として、動悸が激しくなることがあるそうです。
お腹の赤ちゃんに影響はありませんが、張り止めは早産を予防したり、陣痛をとめたりする効果はありません。お腹の張りによって生じる日常生活の辛さなどを和らげるためのものです。もし、副作用が出た場合は、服用を継続するかどうか、医師に相談してみてください。
また、便秘による「お腹の張り」対策としては、便秘を解消すること、その症状を和らげることが大切になってきます。
水分を多めに摂る、バランスのいい食生活、生活リズムを整えることが有効な対策です。特に、食物繊維の多い食材を積極的に取り入れるようにしましょう。
便秘が頑固な場合は、産婦人科で漢方などのお薬を処方してもらうのも一つの手です。
気をつけなければいけない「お腹の張り」とは?
妊娠中に「お腹の張り」を覚えることはよくあることですが、気をつけなければいけない「お腹の張り」がいくつかあります。
流産や早産の予兆としての「張り」
まず一つ目が、流産や早産の予兆としての「お腹の張り」です。
・おりものに血液が混じる・出血がある
・熱が出る
・激しい痛みを伴う
・休んでも張りが治らない
・予定日近くでもないのに1時間以内に6回以上張る
・張りが何日も続く
妊娠37週以前で、このような症状がみられる場合は、流産や早産、胎盤の剥がれなどの危険なトラブルの予兆であることが考えられます。すぐに病院を受診してください。
陣痛によるもの
妊娠37週以降に「お腹の張り」が続く場合は、陣痛によるものかもしれません。
通常の子宮の収縮による「張り」ならば、しばらく身体を休めていれば30分以内に治まることがほとんどです。しかし、陣痛の場合は、お腹の張りは治まるどころか、その間隔がどんどん短くなります。また、張りと共に痛みも出てきます。
出産予定日が近く、お腹の張りと痛みが続く場合は陣痛の可能性がありますので、すぐに病院に連絡を入れ、指示を仰いでください。