妊娠9ヶ月(32週・33週・34週・35週)の胎児とママの変化

公開日: : 最終更新日:2019/02/04 葉酸

妊娠9ヶ月は、もうあと1ケ月で「臨月」という時期です。働いている方は産休に入る時期なので、出産に向けての準備を本格的に始める方も多いのではないでしょうか。

妊娠9ケ月は羊水や胎動が減る一方で、赤ちゃんは急成長を遂げるので、ママの身体が辛いこともしばしばあります。私も妊娠9ケ月が一番しんどかったと記憶しています。身体が急激に重くなり、様々なマイナートラブルが生じます。

そこで、妊娠9ケ月の1週間ごとのママと赤ちゃんの身体の変化や注意点について詳しくみていきましょう。

妊娠32週は胎児に体液循環の仕組みができあがる

妊娠32週の赤ちゃんは、身長が42~45cm、体重は1.2~2.1kgほどになります。脳にはシワが多く刻まれ、頭が大きくなります。また顔の筋肉が細かく動かせるようになるので、表情がより豊かになるでしょう。同時に手足も伸びるため4頭身のスタイルへと変化します。

さらに、皮下脂肪がしっかりとついてくるため体のシワが伸びて、ふっくらとした赤ちゃんらしい姿に成長します。また、ピンクっぽい半透明の肌の色へと変わっていきます。

そして32週には、赤ちゃんの血液が全身を循環できるようになり、細胞へ栄養を運んだり、老廃物や余分な水分などを受け取って排泄したりする「体液の循環システム」が出来上がります。

そのため、赤ちゃんは自分で尿として膀胱から排泄する頻度が増えます。ママの血漿でできていた羊水は、妊娠後期になるとその大部分が赤ちゃんの尿になると言われています。

「羊水が尿だなんて大丈夫?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、赤ちゃんの尿は無菌で無害なものなので心配はいりません。

逆子や早産は妊娠32週で注意すべきポイント

妊娠32週には子宮底長(下図参照)は28~36cmほどで、子宮底がみぞおちまで上がってきます。

赤ちゃんの体重は妊娠32週以降一気に増えるので、ママのお腹はますます膨らみ体重もどんどん増加していきます。そのため、つわりのような症状に苦しんだり、腰痛や手足のむくみなどに悩んだりするママもさらに多くなるでしょう。

妊娠32週~33週にかけては、羊水の量がピークに達した後、減少していく時期に当たります。羊水は最終的にピーク時の半分、400ml程度にまで減少し、赤ちゃんはだんだん子宮の底に下りて、子宮の壁にぴったりとくっつくようになります。

そのため、自由に動き回るスペースも減り、胎動も少なくなっていきます。赤ちゃんは子宮の壁にぴたっとくっつくようになるため、動いた時は赤ちゃんの手足のパーツなどがくっきりとママのお腹の表面に現れ、見て取れるようにもなるでしょう。

妊娠32週のママが注意すべき点は以下の通りです。

  • 妊娠32週以降の逆子に注意
  • 妊娠特有の高血圧がある
  • 早産のリスク
  • 外出時は足元に気をつける
  • 妊娠32週ごろによくあるマイナートラブル

詳しくみていきましょう。

・妊娠32週以降の逆子に注意

妊娠30週頃までは羊水が増えていき、お腹の中にもスペースがあるので赤ちゃんはくるくる回転して動き回ります。そのため妊娠30週までの検診で頭が下以外を向いていても問題ありません。しかし32週以降に赤ちゃんが逆子の場合は要注意です。

だんだんと羊水量が減り、赤ちゃんも下へと下がっていくために、妊娠32週目以降は逆子が治りづらくなるとも言われています。妊娠36週になっても逆子が戻らない場合は帝王切開を検討しなければなりません。

実は私は妊娠32週の検診の時にエコーで逆子だと判明し、助産師さんに「すぐに治さないと手遅れになる」といわれ慌てて逆子体操を始めました。その他、寝るときの向きや赤ちゃんへの語りかけなども行いました。

お腹にスペースがあるうちに逆子を治さなければ、週数が進むにつれてどんどん元に戻りにくくなってしまうのです。

すぐに対策を施したおかげか、私の場合は1週間程度で逆子を治すことができました。もし32週以降で逆子と診断された場合は、早急に逆子対策をすることをお勧めします。

・妊娠特有の高血圧がある

妊娠9ケ月は、出産に向けてママの体内では盛んに血液が作られるようになります。そのため、妊婦さんの20人に1人の割合で妊娠高血圧症候群を発症するといわれています。

これは一般的な高血圧症とは異なり、ほとんどの場合は出産後自然に血圧が正常値に戻ります。

妊娠高血圧症候群を発症すると、血圧が高くなるだけでなく、身体にむくみがみられ、タンパク尿が出ることもあります。

重症化すると死産するリスクもあるので、もともと高血圧・糖尿病・腎臓の病気など妊娠高血圧症候群になりやすい方は、こまめに血圧を測定して十分に気をつけましょう。

・早産のリスク

妊娠32週の妊婦さんの多くが「出産まで、まだ1ケ月以上ある」と考えるかもしれません。ただ妊娠32週で陣痛が始まり、生まれてしまう早産の赤ちゃんも中にはいます。

医療の進歩により妊娠32週で生まれた赤ちゃんが命を落とすことは少なくなってきました。妊娠28週以降であれば早産で生まれても生存率は95%以上といわれています。

ただ、早産の場合「健康上の問題が起きやすい」「出産後は保育器で経過観察をする必要がある」などの心配が残ります。最新の医療技術の力を借りれば後遺症が残る確率も少ないですが、正産期である37週まではママのお腹にいる方が安全です。

子宮口が開くなど、早産一歩手前の状態である切迫早産を避けるためには、破水や子宮収縮を招く子宮内の感染症や冷え・ストレスを防ぐことが大切です。

・外出時は足元に気をつける

妊娠32週頃から急激にお腹が膨らむことで、足元が全く見えなくなるでしょう。これまで以上に足元に気をつけなければなりません。特に階段などは、お腹で足元が隠れて見えないという事態に陥ることもあるでしょう。

転倒などのトラブルを避けるためにも、手すりにつかまり、ヒールのある靴はやめて、足元のしっかりしたスニーカーを履くなど対策をとることをお勧めします。

また、32週以降に飛行機や新幹線に乗って遠出や旅行をする場合は、母子手帳を持ち歩くようにしましょう。そして「お腹が張る」など体調がすぐれない場合はなるべく自宅で安静にするといいです。

・妊娠32週ごろによくあるマイナートラブル

妊娠32週頃にみられるマイナートラブルとして、便秘・痔・下痢・腹痛(下腹部痛、胃痛)・頭痛・腰痛などが挙げられます。妊娠中はホルモンバランスの影響やお腹が大きくなることで便秘や痔になりやすくなります。

また妊娠後期になると、お腹が腸を圧迫して消化が上手くできず下痢を生じることがあります。

その他、32週では様々な痛みに悩む妊婦さんが増えてきます。人によっては骨盤や肋骨、恥骨などに痛みがあったり、頭痛や腰痛がひどくなったりする妊婦さんもいらっしゃいます。これは出産に向けて身体が最終準備段階に入っているために生じていると考えられます。

中でも多いのが腹痛です。下腹部に痛みを感じる場合は、前駆陣痛(陣痛の予行練習のようなもの)かもしれません。前駆陣痛は「生理痛や筋肉痛に似た痛みだった」と答える妊婦さんが多く、私も生理痛に似た痛みだと感じました。

下腹部ではなくお腹の上の方に痛みを感じる場合は胃痛の可能性が高いです。妊娠32週頃の胃痛は「後期つわり」とも呼ばれ、この胃痛に悩まされる妊婦さんが多いといわれています。

この時期の胃痛は子宮による圧迫や消化機能の低下などによって引き起こされます。

妊娠33週の赤ちゃんは既に五感が備わっている

妊娠33週の赤ちゃんの身長は42~45cm、体重は1.4~2.3kgにまで成長します。骨がほぼ出来上がって、新生児と同じような容姿になります。

また33週頃から、今まで少しずつ発達してきた五感が完成します。聴覚や嗅覚はすでに成人と同じ程度にまで備わり、触覚や痛覚も分かるようになります。

光を感じたり、大きな音に驚いたり、羊水の味を感じたりしているのです。ただ、視覚に関しては、子宮内が暗いため、赤ちゃんが何かを見ることはないといわれています。

ちなみに33週頃の赤ちゃんの瞳の色は、青っぽい色をしています。これは、まだ色素が沈着していないためです。日本人の黒や茶色の瞳の色が出来上がるのは、生まれた後だといわれています。

睡眠不足とお腹の張りに悩まされる時期が妊娠33週

妊娠33週になると、子宮底長は28~36cmほどで、お腹がかなり大きくなります。それを支えるために背中を反らした姿勢をとることから、腰・背中・足の付け根・恥骨などに痛みを感じるママが増えてきます。

この時期のママは、赤ちゃんと羊水だけで3kg前後の重さがあり、加えて母体の体重も5~10kgほど増えている状態なのです。これだけの増加した重みを下半身で支えないといけないので、少しの時間でも立っていると身体は疲れてしまうでしょう。

続いて妊娠33週のママの注意点です。

・睡眠不足になることがある

妊娠33週頃からお腹の重みで身体が圧迫され寝苦しくなります。中には「胎動が激しくて寝られない」という妊婦さんもいらっしゃるでしょう。

また、ママの身体は出産後に向けて眠りが浅くなります。これは夜泣きや夜間の授乳にすぐ対応できるよう、身体が準備を始めているからなのです。

・お腹の張りに注意

妊娠33週頃からお腹の張りが頻繁に起きる方がいらっしゃることでしょう。前駆陣痛の場合は痛みの強弱や間隔が不規則で、安静にしていれば治ります。

ただ、規則的にお腹が張ったり、お腹の張りに加えて出血や破水が見られたりする場合は、本陣痛が始まっていると考えられるので病院に連絡しましょう。

妊娠34週の赤ちゃんは肺機能が発達し呼吸やしゃっくりをする

妊娠34週の赤ちゃんの身長は43~46cm、体重は1.7~2.7kgほどになります。34週頃の赤ちゃんは、身長の伸びに比べ、体重の増加が著しくなります。出産に向けて、赤ちゃんは身体の機能をより向上させるために細胞分裂を活発に繰り返しているといわれています。

脳神経の発達も目覚ましく、感情が芽生えて表情が豊かになり外からの刺激に反応して笑うようにもなるのです。柔らかかった頭蓋骨以外の骨も丈夫になっていきます。

また、交感神経と副交感神経のバランスが整い、心拍数の調整や呼吸が上手にできるようになります。妊娠後期に入って赤ちゃんのしゃっくりの回数が増えたと感じるママがいらっしゃるのではないでしょうか。しゃっくりは肺呼吸の練習の一つではないかと考えられています。

さらにお腹の中で赤ちゃんの爪が伸びてくるので、自分の爪で肌を傷つけることもあり、お腹の中でたくましく生きているのです。

ママは破水やおしるしを見落とさないようにする

妊娠34週の子宮底長は30cmを超え、おりものの量に変化がみられます。これは女性ホルモンの一種エストロゲンの分泌が増えるためで、おりものの量を増やして出産に向けて赤ちゃんが産道を通って出てきやすいようにしています。

ただし膣内で細菌が繁殖している場合にも、おりものの量は増えます。この場合は急におりものの臭いがきつくなったり色が変わったりするので、早めに病院で診てもらいましょう。

また、妊娠34週頃から胎動を感じにくくなり心配するママも増えてくるでしょう。臨月が近づくにつれて赤ちゃんの位置は下がり羊水も減ってくるため、だんだん子宮の中で動きにくくなります。

しかし、胎動は弱くなるだけでゼロになるわけではありません。万が一全く胎動を感じなくなった場合は、お腹の赤ちゃんに何か異常がみられるかもしれないので早急に病院へ行きましょう。

妊娠34週までには出産に向けての入院準備を済ませておきましょう。入院準備は必要な物が多く、意外と時間がかかります。「臨月までは準備しなくていいや」などと呑気に考えず、前もって準備することをお勧めします。

加えてベビー用品の準備も終わらせておきましょう。中には妊娠34週に入っても「胎児の性別がわからない」という方もいらっしゃいます。その場合は男の子でも女の子でも使える色の洋服などを揃えるようにしましょう。

妊娠34週のママが気をつけるべきことは以下の通りです。

  • 破水することがある
  • おしるしを見落とさない
  • 産休を取得する場合の注意点
  • 旅行や遠出は慎重に計画を立てる
  • 母乳育児を考えているママは母乳マッサージを始める
  • 妊娠34週ごろによくあるマイナートラブル

順にみていきましょう。

・破水することがある

妊娠34週で破水してしまうママも決して少なくありません。破水すると透明または黄緑色をした独特の異臭がする水(羊水)が子宮口から流れ出ます。

破水はバシャっと出ることもあれば、少量流れ出るだけの場合もあります。中には破水に気づかない妊婦さんもいらっしゃいますが、破水後に細菌感染を起こしてしまう可能性があるため危険です。

おりものの量が増える時期でもあるので、いつもと違うおりものが流れ出た場合は破水を疑うようにしましょう。

・おしるしを見落とさない

出血して血の混じったピンクや赤のおりもの、あるいは茶褐色のおりものは「おしるし」と呼ばれ出産が近づいている身体からのサインといわれています。

子宮口が開く、あるいは子宮収縮によって卵膜が剥がれることで少量出血して、それがおりものに混じって出てきます。おしるしが来た場合、個人差がありますがだいたい10日以内に本陣痛が始まるでしょう。

おしるしを見落とさないためには、トイレに行ったとき拭いた紙をよくみたり、ショーツに血がついていないか確認したりしましょう。

なお、妊娠34週頃からお腹の張る回数が増えていきます。夜中に寝ていても急にキューっとお腹が硬くなったり、日中頻繁にお腹が張ったり、チクチクした痛み(下腹部痛)を感じたりする方もいらっしゃるでしょう。

前駆陣痛の場合は安静にしていれば治まります。一方で本陣痛の場合は規則的にお腹が張り、その痛みがどんどん強くなります。

したがって「前駆陣痛だから大丈夫」と思わずに、早産の可能性も考えて行動をとるようにしましょう。

産休を取得する場合の注意点

妊娠34週に入ると、仕事をしている妊婦さんは産休(産前休暇)に入ることができます。産後8週間は産後・育児休暇を利用することになるので、産前産後休暇や育児休業を考えている方は、各種手続きの準備を済ませておきましょう。

また、育児休業期間は、企業独自の「育児休暇」があるので、休みに入る前に申請期間や取得期間を把握し、スムーズに休みに入れるように準備しておきましょう。

・旅行や遠出は慎重に計画を立てる

産休に入った妊婦さんの中には「せっかくの長期休みだし温泉に行きたい」「ディズニーランドに行きたい」と旅行や遠出をしようと計画する方もいらっしゃるでしょう。

もちろん旅行がダメというわけではありませんが、慎重に計画することをお勧めします。旅先で産気づき、飛行機や新幹線の中で体調が悪くなると大変です。

なるべく家から近い温泉施設やテーマパークを選ぶようにしましょう。

・母乳育児を考えているママは母乳マッサージを始める

私もそうでしたが、出産したら自然に母乳が出ると考えているママは多いのではないでしょうか。もちろん最初からスムーズに母乳が出る方もいますが、多くのママが「母乳が出ない」「赤ちゃんが上手く吸えない」などのトラブルに見舞われます。

母乳育児をスムーズに進めるには、初乳(分娩後、数日間分泌される栄養の詰まった母乳)から赤ちゃんにしっかり吸ってもらうことが大切です。

そのためには妊娠34週頃から母乳マッサージを行いケアしておきましょう。母乳マッサージは子宮収縮を促すことがあるので、助産師さんや産院で開かれている教室などで正しい方法を教えてもらうようとよいです。

・妊娠34週ごろによくあるマイナートラブル

ちなみに妊娠34ごろでは、腰痛・便秘・下痢・腹痛・胸焼け・胃の痛みやムカムカ・吐き気といったマイナートラブルが多いといわれています。

特に胃の不快症状が多く挙げられるのは、お腹の膨らみによって胃が圧迫されることや女性ホルモンのバランスが変わるからだと考えられています。

1回の食事を少なくする、水分を一気に大量に飲まない、食後すぐに横にならないといった対策をとるようにしましょう。

里帰り出産は妊娠34週までに移動する

里帰り出産を予定している妊婦さんは妊娠34週までに移動しましょう。その際、荷物は事前に宅送して極力身軽な状態で帰るようにすることをお勧めします。

特に新幹線や飛行機を使う場合、臨月を過ぎると移動が大変です。また、あなたの健康状態によっては飛行機の搭乗を拒否される場合もあります。

私の友人で飛行機での里帰りを予定していた友達では、直前に胎児に異常が見つかり担当の医師が飛行機に乗る許可をおろさなかったそうです。

精密検査をしたところ、大きな異常ではないことが分かり無事に飛行機に乗れたのですが、遠方に里帰りする場合は早めに移動しておいた方が無難です。

また産後仕事への復帰を考えている方は、里帰りまでに保育園の情報を集めたり、見学に行ったりしておくとよいでしょう。産後慌てて保育園を選んでいては「募集時期に間に合わない」「近所の保育園は満員で入れなかった」といったことも起こります。

自由に動ける間に少し先の準備まで済ませておきましょう。

妊娠35週の胎児の大きさには個人差がある

妊娠35週の赤ちゃんの身長は43~46cm、体重は1.8~2.9kgほどへ成長します。この時期の赤ちゃんの体重は2kgくらいしかない子もいれば、2.7kgに達している子もいるなど個人差がかなり出てきます。

さらに残りの1ヶ月で赤ちゃんはプラス1kg近く体重を増やすのです。妊娠35週の時点で小さくても、次の検診で赤ちゃんがぐっと成長していることもあります。身体の大きさは人それぞれなので基準値内であれば心配する必要はありません。

また、35週の赤ちゃんは内臓器官が成熟し、胃腸がゆっくりと機能を開始させるようになります。身体がひと通り完成して、いつ産まれても大丈夫な状態に近づくことになります。

体脂肪率は8%ほどまで増えるので、かなりふっくらとして新生児と変わらない赤ちゃんらしい姿になります。また、皮下脂肪が増えたことで手首や足首にくびれが見られるようになり、肘や膝にくぼみも作られるようになります。

お腹の中で毎日呼吸の練習を続けてきた赤ちゃんは早産で産まれてしまっても、自分で呼吸ができるといわれています。

赤ちゃんの位置が下がり、足のつり・付け根痛・恥骨痛・頻尿に悩まされる

妊娠35週の子宮底長は29~37cmほどで、妊娠をしていなかった頃に比べると子宮の容量は800倍・重さは20倍にもなっています。

一方、ママの身体では通常の約1.5倍もの血液量の増加が起きています。血液中で酸素を運ぶ役目の赤血球は増加していないため、血液が薄くなってしまいがちです。さらに、血液の6分の1が子宮に集中して脳に届く血液量が低下するため、ママは貧血になりやすく立ちくらみやめまいを引き起こしやすくなります。

安産のために毎日ウォーキングをしている妊婦さんも多いと思いますが、空腹時は避けて必ず水分補給をこまめにして無理のない範囲で歩くようにしましょう。

また、妊娠35週くらいからママの身体は出産の準備をスタートさせ、少しずつ子宮口が開いてきます。ただ、子宮口が開くとしても0.5~1cmほどです。分娩の目安は10cmなのでまだまだ余裕があります。

したがって、検診で「子宮口が少し開いている」といわれても慌てる必要はありません。落ち着いて、いつもと同じように過ごして構いません。

妊娠35週のママが気をつけるべきことは以下のとおりです。

  • 足の爪や髪の毛を切っておく
  • 就寝中の足のつり(こむら返り)に注意
  • 胎児の頭が固定されると恥骨痛や付け根痛が起こる
  • 妊娠35週の時点で逆子が治らない場合は帝王切開の準備をする

順にみていきましょう。

・足の爪や髪の毛を切っておく

臨月に入ると自分で足の爪を切るのは難しくなります。「もうすでに自分で切れない」という方は旦那さんに切ってもらいましょう。「まだ自分で切れる」という方は今のうちに短くしておくことをお勧めします。産後は自分の爪のケアをしている時間はありません。

また、美容院へ行って髪の毛のケアも済ませておきましょう。「しばらく美容室には行けないから、なるべく出産の直前にカットしたい」と考える妊婦さんもいらっしゃるかもしれませんが、これからはいつ産気づくか分かりません。

また、臨月に入ると椅子に同じ姿勢で座ったり、洗髪してもらったりするのも大変です。妊娠35週までに最後の美容院に足を運びましょう。

・就寝中の足のつり(こむら返り)に注意

妊娠後期に入ると寝ている間に急に足がつる、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も妊娠後期から出産直前まで夜中に頻繁に足がつって、そのたびに悲鳴を上げていました。ただでさえ眠りが浅いところに足がつることで目が覚めてしまい、睡眠不足につながることもしばしばありました。

妊娠中はお腹が大きくなることで特に下半身の血の巡りが悪くなります。その結果、足の筋肉にミネラルが行き渡らなくなること、大きいお腹を支えることで足に負担がかかることなどから、足がつりやすくなってしまうのです。

足がつるのを100%防ぐのは難しいですが、回避することはできます。夜間に足がつる方は、寝る前にコップ一杯の水分補給を行いましょう。またミネラルをサプリメントなどで摂取するのも有効です。

妊婦さんに摂取が推奨されている葉酸サプリメントの中には、ミネラルがバランス良く配合されている商品があります。このような葉酸サプリメントを選べば、葉酸を摂取すると共に足がつるのを予防できるミネラルも同時に補給できます。

・胎児の頭が固定されると恥骨痛や付け根痛が起こる

妊娠35週頃から赤ちゃんの位置はだんだんと下がってきます。赤ちゃんの頭が骨盤に固定されると胎動が弱くなり、いよいよ出産が近づいている兆候だといわれています。

また、胎児の頭が固定されると骨盤の底部分の骨である恥骨に痛みを生じたり、足の付け根に痛みを感じたりする場合があります。

一方、赤ちゃんの位置が下がることで膀胱を刺激し、さらに頻尿になりやすくなります。尿漏れすることも珍しいことではありません。

あなたの赤ちゃんの頭が骨盤の中で固定しているかどうかは検診のときに分かります。骨盤にはまっていないからといって心配する必要はありません。赤ちゃんは徐々に降りてくるので待ちましょう。

・妊娠35週の時点で逆子が治らない場合は帝王切開の準備を!

妊娠35週の時点で逆子の状態で骨盤に頭がはまることはありません。残念ながらこの先、逆子が治る確率はグンと低くなってしまうので帝王切開での出産のことを医師と話し合いましょう。帝王切開の場合は出産日が決まっているので準備はしやすいといえます。

ただし、まだ戻る可能性もあるので逆子体操や整体に通うなどしてできるだけのことはやりましょう。

まとめ

妊娠9ケ月は出産までもう少しのところです。お腹の赤ちゃんは外で生きていく準備がほぼ出来上がっており、エコーを見る度にワクワクするママも多いのではないでしょうか。

一方で、母体はお腹が大きくなることで腰痛・腹痛・胃のむかつき・吐き気・頭痛・頻尿・足がつるといった様々なマイナートラブルが生じます。

その他、前駆陣痛が始まったり、おしるしが来たりするママもいらっしゃいます。日々の身体の変化を感じながら、出産準備・里帰り・産後の準備を行いましょう。

また、この時期にストレスを抱えると早産や破水・お腹の張りを招きやすいので、無理に何でも自分でやろうと思わず旦那さんや家族の力を借りましょう。

長かった妊娠期間も残りわずかです。赤ちゃんと会えるまでもう少し頑張ってください。

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