妊娠8ヶ月【妊娠28週・29週・30週・31週】

妊娠8ヶ月、28週以降を「妊娠後期」と呼びます。いよいよ出産というゴールがかなり近づいてきました!いつ出産しても大丈夫なように、ご家族やパパなどと一緒に準備も進めて行きましょう。

妊娠28週

ママの身体と注意点

妊娠28週目になると、子宮底(子宮のてっぺん)がみぞおちのあたりにまでなり、長さも26~34cmくらいになります。妊娠後期に入ったこの週以降、胎位がだんだん下がっていき、今までにあった動悸・息切れ・頻尿・便秘などの身体の不調からも徐々に開放されていく妊婦さんが増えてきます。

ただ、辛い症状や症状が亡くなる時期というのは個人差があって、かなり違いがあるもの。体調がだんだん良くなる妊婦さんがいる一方で、この時期、大きくなった子宮が胃や食道を圧迫して、胃もたれ・胸焼け・吐き気・げっぷ・胃痛などの「後期つわり」に苦しむママも出てきます。消化のいいものをよく噛んで食べる、食事の回数を分けるなどの方法を試してみて下さい。

また、体調管理は引き続き重要です。赤ちゃんの主なエネルギー源がブドウ糖という糖分であるため、最優先でママの身体から赤ちゃんへ運ばれていき、ママの体内ではブドウ糖が不足がちに。そのため、無性に甘いものが食べたい!と考えるママが多くなるのです。もちろん甘いものを食べてもいいのですが、限度を考えることを忘れずに!食べ過ぎは急な体重増加につながりますし、妊娠糖尿病などの疾患を招く原因にもなります。

さらに、赤ちゃんを外部の衝撃から守る羊水の量が、この時期、ピークになります。羊水量は多すぎても少なすぎてもトラブルの原因となるのですが、どうして羊水が多くなったり少なくなったりするのかという点はまだ原因が不明。つまり、誰の身にも降りかかってくる可能性があると言われています。ただ、急激な体重増加「羊水過多症」という羊水が多すぎる状態を引き起こす要因の一つになると指摘されているので、気をつけてください。

そしてこの頃になると、時々お腹が張るようになります。お腹が張るというのは、痛みを伴わずに、お腹が固くなるように感じる状態。ひどいときには、カチカチカチ・・と、まるで音を立ててお腹が張りかためられていくような、固まっていくように感じることも。

これは、一般的に出産のために必要不可欠な「準備運動」と言われていて、妊娠後期になると1日に何度か、お腹が張ることがあるようです。特に、働いている方や立ち仕事の方、小さなお子さんがいらっしゃる方などは張りが出やすいとか。横になってしばらく休めば張りは取れますので、こまめに休憩をとるようにしましょう。

また、この頃は、血液量も多く、ホルモンの影響で粘膜が充血しやすい状態でもあるので、歯を磨いただけで歯茎から血が出る、鼻血がよく出るなど、ちょっとした「出血」が多く見られる時期でもありますが、あまり心配はいりません。

そして、この時期におすすめしたいのが、後期の「母親教室」。もっと妊娠週が進むと身体を動かして外出もしにくくなりますし、いつ生まれてもおかしくないという時期に入ってしまいます。そのため、この週の妊婦さんを対象に後期の母親教室を開く病院は多く、陣痛から出産までの流れ出産後の赤ちゃんのお世話の仕方バースプランの作成など実践的な内容になっているので、出産の疑問点や不安も解消できて、初産の方なら必ず役に立つはず!

今はパパも一緒に参加する「父親教室」などもあり、妊娠中のママの身体の重たさを実感できるコーナーや、出産時のサポートの仕方赤ちゃんのお世話のコツなどを聞くことができます。パパとしての自覚を促すためにも、是非参加してもらいたいですね。

赤ちゃんの様子

妊娠28週の赤ちゃんの身長39~41cm体重1~1,3kgに!
この頃の赤ちゃんは、すでに人間に必要な60兆個もの細胞が作られている状態。各器官や部位の完成まであとちょっとというところまできていますし、羊水を吸ったり吐いたりしながらさらに頻繁に呼吸の練習を繰り返すようにもなります。

具体的に言うと、聴覚はほぼ完成し、4層の皮膚細胞が出来て、皮膚が厚くなめらかになります。骨髄が機能を始めるため、自分で血液を作りだせるようにもなってきます。引き続き皮下脂肪も増加し、中でも「白色脂肪」という断熱の働きとエネルギーの素にもなる脂肪が増えていきます。そのため、赤ちゃんの身体は前よりも丸みを帯び、ふっくらとした姿に。眼球がきょろきょろと動くようにもなります。

また、この週には、男の子は睾丸が、女の子は陰唇が完成まであと一歩という状態にまで発達。男の子は骨盤内にあった精巣が陰嚢内の正確な位置まで下りていき、女の子の陰唇は小さいながらも完成に近づきつつあり、赤ちゃんが動いて股間が見えると、誰が見ても男女の性別がはっきりと分かるまでになるのだそうです。もし、赤ちゃんの性別は出産までサプライズで取っておきたいという方は、担当の医師にその旨を伝えておく方がいいですね。

妊娠29週

ママの身体と注意点

妊娠29週になると子宮底長が26~35cmほど、妊娠していない時よりも400~500kcalほど摂取カロリーも多くなります。体重が増加してしまいがちな時期でもあるので、摂取カロリーが増えたからといって食べ過ぎには注意が必要です。この時期の理想的な体重増加は、1週間で300g、1ヶ月で1~1,5kg、出産まで3kgほどと言われています。

ただし最近では、正期産であるにもかかわらず、出生体重が2500g未満の新生児「低体重児」の生まれる割合が年々増加していることが問題になっており、その最大の原因は、ママの厳しい体重管理ではないかと言われています。そのため、近頃は体重管理を以前よりも厳しくしない産婦人科医も増えているとのこと。もちろん、体重が増えすぎるのは、それはそれで他のトラブルにつながる危険性が増えるので良くないのですが、妊婦である以上、赤ちゃんを元気に成長させてあげられるようにしっかりと栄養を摂ることは大切なことです。

そして、この妊娠29週は、胎動が最もピークを迎える時期です。胎動は、通常、妊娠31週を過ぎる頃から治まっていくと言われ、それまでは赤ちゃんが頭を下にした「頭位」の状態だと、おへそより上のあたりで感じることができます。これが「逆子」の場合は、おへその下から膀胱のあたりでよく感じるんだとか。

ただ、まだ8ヶ月なら子宮内にも赤ちゃんが動くスペースがあるので、定期健診の際に逆子を指摘されても、次第に頭位になっていく赤ちゃんは多いもの。心配なママは「逆子体操」などを試してみてください。

また、出産が近づくこの時期は、出産にむけて産道が開くようになるため、膣が緩んできます。そのため、今まで以上におりものが出るようになって、量も増えます。おりものは、膣内の乾燥を防ぎ、酸性に保つことで雑菌などの繁殖を防ぐ役目があるのですが、膣からポロポロとした白いカスのようなものが出てくる場合は、「カンジダ腟炎」かもしれません。

これはママやお腹の中の赤ちゃんには直接的にはあまり害はないのですが、出産時に赤ちゃんに感染してしまう可能性が大!おりものの色や匂いがおかしい場合は、何かのトラブルかも。早めに産婦人科を受診しましょう。

また、妊娠後期は血液量がピークとなり、腎臓にも負担がかかることから、むくみが出やすい時期。多くはこの時期特有の症状なのですが、実は「妊娠高血圧症候群」の兆候の1つでもあります。あまりにもむくみがひどい時や他にも不快な症状が続く時は医師に相談するのをおすすめします。

赤ちゃんの様子

妊娠29週の赤ちゃんの身長40~42cm体重1,1~1,6kgくらいにまで成長してきます。赤ちゃんは一部を除いて、身体を包む柔らかい体毛が消え、足の爪も完成してきます。

また、脳の発達がさらに進み、「脳溝」=「脳のしわ」が作られ始めます。人間の知能が発達したのは脳のしわが出来たおかげと言われ、一定の大きさの中で脳細胞の表面積を増やすことができる画期的な方法。この時期の赤ちゃんはこれらの形成がスタートし、それに伴い、赤ちゃんの情報処理能力や各器官の働きもさらに向上していくことになります。

それから、脳の発達によって、この時期から芽生え始めるのが「胎内記憶」の能力だと言われています。海馬の発達によって胎内のできごとをすでに記憶できるようになっているか赤ちゃんが、この時期の脳の成長によって子宮にいた時のことを記憶できるようになり、「お腹の中で何をしていたの?」と尋ねると、「丸くなっていた」とか「音楽が聞こえていた」とか「泳いでいた」などと話すことがあるそう。

また、赤ちゃんに「喜怒哀楽」という感情が現れてくるのもこの時期。赤ちゃんの意思がさらにしっかりとしてくるので、ママがイライラして、ついお腹に向かって否定的な言葉を言ってしまう、夫婦喧嘩をするなどはNGです!お腹の赤ちゃんには全部聞こえているんだという自覚を持つようにしてくださいね。

それから、この週から赤ちゃんに見られるようになるのが「モロー反射」という動き。モロー反射とは、新生児~生後3ヶ月頃まで見ることのできる原始反射の1つで、赤ちゃんの顔を正面にして寝かせてから頭を少し引き起こし、急に手を放すと、赤ちゃんが抱きつくように手を前に突きだす動きのこと。時には、お腹の中で大きな音に驚いたり、自分のくしゃみでびっくりしたりした時にすることがあるそうですよ。

妊娠30週

ママの身体と注意点

妊娠30週の子宮底長は、27~35cmほど、赤ちゃんがどんどん大きくなるのにつれて、お腹も前へ前へとせり出していき、おっぱいや太もももこれまで以上に大きくなります。結果、皮膚は急激に伸び、乾燥しやすい状態に。「妊娠線」ができやすい状態にさらに拍車がかかるので、お風呂上がりなどに保湿クリームローションなどをこまめに塗るようにしましょう。

また、体型が変化することで、お腹の下や胸の下などに汗がたまりやすくなってしまいます。皮膚が伸び、肌が敏感なこの時期は汗を放置しておくと、かぶれたりかゆくなったりしやすいので、吸水性のいい衣類を身につけるなど工夫をしましょう。

そして、妊婦さんの7割が経験したことがあるという「尿漏れ」は、お腹がかなり大きくなるこの時期に発症することが多いと言われています。これは、子宮が膀胱を圧迫することとプロゲステロンというホルモンの影響で子宮付近の筋肉が弛緩してしまうことによるもの。中には、ちょっとした拍子で尿漏れを起こすママもいるので、市販のパッドやシートなどで上手に乗り切るのも1つの方法です。

さらには、お腹の張りに気をつけながら行うのが原則ですが、横になって膝を立て、肛門・尿道・膣などを意識して力を入れ、一旦、締め上げてから、ゆっくり力を抜く・・という骨盤底筋を鍛える運動も効果的だと言われています。

そして胎動の方は、この週に入ると子宮内で赤ちゃんが動けるスペースが減り、赤ちゃんの姿勢が「頭位」という頭を下にして骨盤に固定される格好になるため、前よりも胎動の回数が減り、大人しくなったように感じるママが増えるでしょう。

一般には、妊娠31週以降から胎動が少なくなっていくと言われており、この妊娠30週はまだ胎動が全くなくなるということはありません。回数は少なくなりますが、続いていきます。もし、1日で一度も胎動を感じられないという時は、赤ちゃんに何らかのトラブルが起きている可能性がありますので、今まで毎日会った胎動が急にパタッなくなったというような時は、すぐに産婦人科へ!

また、妊娠30週となると、産休まであと1ヶ月ということで、体調が辛いながらも何とか頑張って働いているというママも少なくないでしょう。しかし、ママが大きなストレスを抱えているとお腹の中の赤ちゃんに伝わってしまいます。体調が悪い時は休む、こまめに休憩を入れるなど身体を労わるようにしてくださいね。

赤ちゃんの様子

妊娠30週の赤ちゃんの身長40~43cm体重1,2~1,75kg程度にまで成長します。

肺が発達し、呼吸ができるようになる他、この週になると赤ちゃんの「睡眠サイクル」が長くなり、今までは最長20分ほどで寝たり起きたりを繰り返していたのが、視覚・聴覚・触覚などの情報を処理する脳の機能が働きはじめたので、もう少し長い20~30分くらいのサイクルになってくるようです。

さらに超音波エコーでは、赤ちゃんが起きると、眼球をきょろきょろと動かしたり、まばたきをしたり、あくびや口を動かしたりするなど、眠りから覚めたというサインがはっきりわかるようになるそうです。

また、この週くらいからだんだんと発達していくのが、赤ちゃんの「免疫システム」。赤ちゃんが自分ですべて作り出せるようになる生後3ヶ月くらいまでの抗体を、お母さん分けてもらうようになるのが、この時期なのです。

赤ちゃんも胎児期に自分ではないものを攻撃する抗体を作り出しますが、それは1種のみ。数が少なすぎるため、免疫機能は働かず、胎盤を通してママから抗体蛋白質の一種「免疫グロブリン」をもらいます。一般に、哺乳類が持つ免疫グロブリンは5種類あると言われますが、赤ちゃんが自ら作りだすのは、IgM(免疫グロブリンM)というもの。ママから分けてもらうのは、IgG(免疫グロブリンG)と出産後の母乳に含まれているというIgA(免疫グロブリンA)の2種です。

妊娠31週

ママの身体と注意点

妊娠31週は、子宮底長が28~35cmほど、今まで以上に大きくなった子宮が横隔膜を圧迫し、動悸や息切れを起こしやすい時期です。さらに、大きなお腹を支えるために背中を反らした姿勢になりがちで、腰に負担がかかりやすくなります。ママの身体の血液量はこの31週あたりでピークを迎え、32週を過ぎると落ち着いていくので、この時期はこまめに休憩を取るなどして上手に乗り切るようにしましょう。

また、ここから胎動が減少していきます。最初は、胎動が少なくなったり、大人しくなったりしたことに不安を覚えるかもしれませんが、赤ちゃんが子宮内で動き回るスペースがなくなるほど大きく育ったという証拠でもあるのです。あまり心配しないようにしましょう。

そして妊娠31週目くらいから、お腹が張り、子宮が収縮することが増加していきます。これは「前駆陣痛」と呼ばれる、出産時の陣痛の予行演習と言われるもの。この先、妊娠36週~出産にかけてはもっと頻繁に起こるようになるそうです。前駆陣痛は、お腹の張りが不規則で間隔が安定しないという特徴があり、安静にしていればだんだん治まっていくので心配はいりません。

しかし、お腹の張りがどんどん強くなる、規則的な張りがある、お腹の張りと共に子宮口が開く、破水や出血が見られるなどの症状が出た場合は、「切迫早産」危険性も!安静にしていてもお腹の張りが治まらないという時は、すぐに病院に連絡して医師の判断を仰ぐようにしましょう。

また、赤ちゃんもかなり大きくなり、脳も発達するこの時期。是非、「胎児名」とも言われる、お腹の赤ちゃんのニックネームをつけてみてはいかがでしょう?さらに赤ちゃんへの愛着が増しますし、父親としての実感がわきにくいパパにとってもおすすめの方法です。

赤ちゃんの様子

妊娠31週の赤ちゃんの身長42~44cm体重1,3~1,9kgほど。重さはかぼちゃ1個分くらいにまで成長します。

皮下脂肪が少しずつ増えて、顔や身体つきも新生児と同じくらい丸みが出てきます。さらに、骨格がしっかりしてきて、顔だちも整い、表情も豊かになるので、赤ちゃんの顔がはっきりと見えるように。超音波エコーでも「パパとママのどっちに似ている?」というような話もできるかもしれません。

また、脳や肺、消化器官以外の臓器はすでに出来上がっています。そのため、もしこの時期に早産になったとしても、赤ちゃんに障害が起こる可能性は以前よりずっと低くなると言われています。

そして、この時期くらいから、多くの赤ちゃんが頭を下に向けた縦の姿勢で落ち着くようになります。この時期の子宮は横よりも縦に長くなっており、赤ちゃんはその形に合わせて手足を折り曲げ、頭を下にする「頭位」という姿勢を取るのです。

ただし、この妊娠31週の頃は、まだ約2割の赤ちゃんが逆子であるとか。しかし、逆子で出産を迎えるのは全体の3~5%と少なく、ここから逆子が自然に治る赤ちゃんがほとんどです。心配な方は、逆子体操の他、お灸ツボ押しなどを試してみてはいかがでしょう?