妊娠中は腰痛で悩む方が多いのではないでしょうか。

腰痛の原因は赤ちゃんがお腹で大きくなることだと考えている方が多いと思いますが、実は妊娠初期から腰痛で悩むプレママはたくさんいるのです。症状がひどい場合だと「痛くて歩けない……」ということもあります。

私自身、妊娠前は腰痛と無縁でしたが妊娠して以来、腰痛に悩まされています。出産後は子育てによって腰痛が悪化し、今では年に一度はぎっくり腰をやってしまうまでになってしまいました。

そんな腰痛持ちの私から、あなたが私の二の舞にならないようにアドバイスしたいと思います。今回は、腰痛を長引かせない、悪化させないために試すべき対処法やコツなどについて紹介していきます。

妊娠初期の腰痛の原因とは?

妊娠初期(4~15週)の場合、15週目でもお腹の赤ちゃんはまだ100g程度、レモン1個分ほどです。体重が少しずつ増えてお腹も膨らんでいきますが、妊娠初期の腰痛の原因は体重増加による重心や姿勢の影響によるものよりも、他の要因で腰痛を招いている場合の方が多いのです。

・妊娠中のホルモン分泌「リラキシン」の影響

妊娠初期に起こる腰痛の主な原因は、卵巣ホルモンの一種「リラキシン」です。リラキシンには、母体の骨盤を支える靭帯や関節を緩ませ、骨盤を開きやすくして出産をスムーズに進める働きがあります。妊娠すると同時に、出産に備えて早くもリラキシンの分泌が始まるのです。

リラキシンは身体が出産の準備をする上で必要不可欠なホルモンなのですが、骨盤や靭帯・関節などが緩むことで、骨盤周辺の筋肉などに緊張が生じ腰痛を招いてしまいます。

リラキシンによる痛みは、「腰全体がうずくような痛み、恥骨結合部に鋭く刺すような痛み、ズキズキする痛み」などと表現されます。

リラキシンは、妊娠3ケ月(8~11週)くらいから増加し、妊娠4ケ月(12~15週)でピークを迎えると言われています。まさにリラキシンは妊娠初期に分泌が増えるホルモンであり、妊娠初期の腰痛の大きな一因として挙げられるのです。

また、このホルモンは妊娠6ケ月(20週)以降に低下して、7ケ月(24週)までは横ばい、妊娠後期(8~10ケ月)に入ると再び増え始めます。つまり、妊娠後期は腰痛が起こる可能性が再び高まるということです。

リラキシン以外の原因は?

妊娠初期の腰痛の主な原因はリラキシンであると述べましたが、そのほかにも妊娠初期に腰痛の原因となるものを以下に挙げました。

  • 着床痛
  • 骨盤内の充血
  • 便秘
  • つわりがもたらす血行不良

それぞれについて見ていきましょう。

・着床痛

「着床痛」とは、受精卵が子宮に着床するときに根を張ろうとしてもたらされる痛みを指します。着床痛について医学的な根拠はありません。ただ、妊娠した多くの女性が「着床時期に痛みがあった」と話すことがあり、妊娠兆候の一つとして捉えられています。

着床痛の症状として「足の付け根あたりがチクチク痛む」「骨盤あたりが痛む」「腰全体が痛む」といったものが挙げられます。個人によって感じ方が違うのですが、腰痛は着床痛の可能性があるということが考えられます。

・骨盤内の充血

妊娠初期に子宮が大きくなることで、骨盤内に充血が起こり腰痛を引き起こすことがあります。骨盤あたりに激しい痛みや、腰全体にじんわりとした痛みを感じる人もいます。

骨盤内の充血が原因で腰痛を引き起こしている場合は、胎盤が完成する妊娠12~15週には解消されることが多いといわれています。

・便秘

便秘によって腸内に溜まった便やガスが、周りの筋肉や背骨・骨盤などを圧迫して腰痛を招きます。妊娠すると女性ホルモンの一つ「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の分泌が増加するため、便秘を生じやすくなるといわれています。黄体ホルモンには腸の運動を抑える働きがあるからです。

妊娠兆候の一つに「おなら」が挙げられるのも、黄体ホルモンの影響でガスが溜まりやすい状態であることが考えられます。

・つわりがもたらす血行不良

妊娠が成立してつわりが始まると多くの妊婦が安静に過ごすため、運動不足になり血行不良をもたらします。血流が悪いと身体が冷えたり、疲労物質などが溜まりやすくなったりして痛みを生じるのです。

妊娠中に腰痛になりやすい人の特徴

同じ妊婦でも腰痛になる人・ならない人がいます。また腰痛になっても軽症な場合、重症な場合と人によって様々です。そこで、腰痛になりやすい人の特徴を挙げました。

  • 肥満体質
  • 姿勢が悪い
  • 冷え性
  • 双子を妊娠している
  • 2人目以降の妊娠

それぞれについて見ていきましょう。

・肥満体質

体重が重いとその分、腰への負担も大きくなります。また、脂肪がお腹についていると重心が前に傾くためバランスをとろうと反り腰の姿勢をとってしまいます。反り腰は背骨への負担が大きく腰痛になりやすいと考えられます。

・姿勢が悪い

前述した、反り腰だけが腰痛を招くわけではありません。特に座るときの姿勢が悪いと腰に大きなダメージを与え腰痛を引き起こすことがあります。あなたは背中が丸まり前かがみの姿勢で座るクセがついていないでしょうか。

特に長時間同じ姿勢でパソコンを使ったデスクワークを行っている場合は要注意です。

・冷え性

身体が冷えると筋肉が硬くなり、血管を締め付けて血流を悪くします。その結果、疲労物質が溜まって痛みを生じやすくなるのです。

・双子を妊娠している

双子を妊娠している場合、通常の妊婦さんよりもお腹が大きくなるスピードが速いため腰への負担が大きくなります。身体の重心が傾きやすく、骨盤内の充血を引き起こしやすくなっているので腰痛を招きやすい状態といえます。

・2人目以降の妊娠

1人目の妊娠のときは腰痛が無かったにも関わらず、2人目・3人目の妊娠から急にひどい腰痛に悩まされる妊婦さんがたくさんいらっしゃいます。

これは、1人目の妊娠・出産の影響で骨盤が歪んでしまい、さらに子どもの育児で抱っこや腰に負担がかかる姿勢での授乳を続けた結果、腰痛を引き起こしてしまうのです。また、「妊娠すると腰痛になりやすい」ということは前述した通りです。

したがって2人目以降の妊娠が引き金となり、急に腰痛になってしまうということはよく起こることなのです。

これらの特徴のいずれかに該当する方は妊娠中に腰痛になりやすい、あるいは腰痛が悪化しやすい可能性があるため注意が必要です。

腰痛が他の病気のサインの可能性も

腰痛には他の病気が隠れている可能性があります。

それでは腰痛を主な症状とする病気にはどのようなものがあるのでしょうか。具体的には、以下のようなものがあります。

・椎間板(ついかんばん)ヘルニア

「椎間板ヘルニア」とは、背骨の骨の間にある椎間板が飛び出して神経を圧迫し手や足、そして腰に痛みを及ぼす病気です。

特にお尻から太ももの裏側の痛み(坐骨神経痛)はよく見られる症状です。

その他、足の付け根や背中の痛み、恥骨(ちこつ:骨盤の下にある細長い骨)や股関節の痛みを伴うことがあります。

椎間板ヘルニアは診察に加えてレントゲンやMRI検査を行い総合的に診断します。

・腎臓疾患

激しい腰痛と共に高熱を伴う場合、「腎盂腎炎(じんうじんえん)」の可能性があります。腎盂腎炎とは膀胱で細菌が繁殖し尿管を逆流して腎臓に炎症をもたらす疾患です。

また、膀胱炎でも腰痛を伴う場合があります。腰痛に加えて頻尿・残尿感・血尿などの症状が見られたら膀胱炎の可能性があるので早めに病院で診察してもらいましょう。

・子宮疾患

子宮筋腫や子宮内膜症といった子宮疾患では腰痛を伴うことがあります。

子宮筋腫とは子宮の筋層にできた良性の腫瘍のことです。筋腫によって周囲が圧迫され腰痛や頻尿を招くことがあります。

また、子宮内膜症は子宮内を覆っている子宮内膜が子宮以外の部位に発生する病気です。子宮内膜症の症状として下腹部痛・腰痛・頭痛が挙げられます。

さらに卵巣が腫れている場合にも腰痛が見られる場合があります。

「ただの腰痛」だと思っていても、実際にはこのような疾患が隠れている可能性があるのです。腰痛と共に他の症状が見られる場合は早めに病院で診てもらうようにしましょう。

妊娠初期の腰痛は流産の兆候の一つの可能性がある

また、腰痛が流産のサインの一つとして挙げられることがあります。流産すると、身体から子宮の内容物を排出しようとして腰痛を引き起こすことがあるのです。

流産している場合、腰痛以外に不正出血(月経以外の出血)やお腹の張り、つわりがなくなる、基礎体温が下がるといった症状が見られます。

このような症状がある場合は急いで病院に行きましょう。

妊娠初期の腰痛はどのように対処するべきか

それでは、妊娠初期の腰痛の対処法について紹介したいと思います。腰痛は原因に合わせて改善していくことが大切ですが、同時に腰痛を悪化させないように気をつけなければなりません。

動作に気をつける

腰痛がある場合は、無理な姿勢や重い荷物を持つことは極力避けるようにしましょう。ただ、育児をしている場合は抱っこする必要があります。

そのような時は、必ず片膝を床に付けて、ゆっくりと重心を移動させるようにしましょう。身体を垂直に移動させるイメージで動くと腰に負担がかかりにくくなります。

また、長時間抱っこする必要がある場合は抱っこ紐を用いましょう。このような腰にベルトがあるタイプの抱っこ紐を使うと、腰回りを支えてくれるので腰への負担を減らせます。

抱っこ紐

「少しくらい、抱っこ紐をつけなくてもいいか」と面倒がらないようにしましょう。少しとはいえ、腰痛を悪化させる恐れがあります。

さらに、「腰を折って床から物を拾う」「腰をかがめて洗濯物を洗濯機から出す」など、急に前かがみになって腰に負担がかかる姿勢を取ってしまうと、ぎっくり腰などの悪化の原因にもつながります。急に腰を折らないようにしましょう。

必要な場合はまず、両膝を折って床と近くなってから物を拾うなど、なるべく垂直にゆっくり動くように心がけましょう。

さらに、くしゃみや咳をするときにも注意が必要です。特にくしゃみは時速に換算すると320キロ以上ともいわれており、身体に物理的な負担がかかります。実際にくしゃみをきっかけにぎっくり腰になる方もたくさんいらっしゃいます。

したがって「鼻がムズムズする」などくしゃみの前兆を感じたら、すぐに背筋を伸ばして腰に負担がかからないようにしましょう。

姿勢に気をつける

姿勢の悪さが腰痛を招くことは前述した通りです。正しい姿勢を心がけましょう。立っている時、座っている時に正しい姿勢をつくるポイントをご紹介します。

・正しい立ち姿勢のポイント

正しい立ち姿勢をつくるポイントは、肩甲骨を背中に引き寄せることです。

肩甲骨とは肩と腕をつなぐ骨のことで上半身を動かす上で欠かせない骨です。別名「上半身の骨盤」とも呼ばれています。

反り腰や猫背など姿勢の悪い人は、立った時に肩と手の位置が前にきます。一方で、正しい姿勢は肩と手が横に一直線上に並びます。

猫背や反り腰の姿勢を正しい位置に戻すには肩甲骨を背中に引き寄せましょう。肩甲骨に意識を向けるだけで自然に胸が張り正しい姿勢をつくることができます。

・正しい座り方のポイント

デスクワークなど毎日長時間座っているという方は、座るときの姿勢に気をつけるだけで腰の負担が大きく軽減されます。

座る時は骨盤を立てて坐骨を椅子につけるようにして座りましょう。坐骨とは骨盤の下側にある骨のことです。

足の裏が床にしっかり着いていると自然に坐骨を椅子に着けることができます。

座った時に「つま先しか床に着いていない」「足がブラブラしている」という場合は、足台を置きましょう。またいくら正しい姿勢で座っていたとしても座りっぱなしは良くありません。1時間程度を目安に、少し歩いたり立ち上がって軽いストレッチを行ったりしましょう。

骨盤ベルトの活用

骨盤ベルトを活用することで、骨盤の歪み・開き・緩みを改善し腰痛を根本から解消することが期待できます。また、「腰痛で歩くのも辛い……」「立てない」いった時にも痛みを抑えることができます。私はぎっくり腰になったとき、いつも骨盤ベルトに助けられています。

もしあなたが骨盤ベルトの購入を検討しているのであれば、妊娠中・産後も使える「トコちゃんベルト」がお勧めです。産後は開いた骨盤を正しい位置に戻す必要があるため骨盤ベルトが役に立ちます。

妊娠初期から腰痛に悩まされているのであれば、産後も使える骨盤ベルトを用意しておくと良いでしょう。

骨盤ベルトは、恥骨(ちこつ:骨盤の前部の接合部分)と大転子(だいてんし:前太ももの張っている部分)を支えるようにして使います。

ここで骨盤ベルトを妊娠中に使用すると「お腹の赤ちゃんは苦しくないのか」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし上図のようにして巻くとお腹の下で支える形になり、赤ちゃんには負担がかかりません。

また、骨盤ベルト以外にも腰の負担を和らげるアイテムとして他にもコルセットやサポーターなどがあります。

いずれの商品を選ぶ場合も「妊婦用」のものを選ぶようにしましょう。

マッサージや軽いストレッチ

妊娠初期に素人が腰痛改善のマッサージをすることはお勧めしません。特に腰周りには子宮を刺激するツボが多数存在するからです。

妊娠初期でも対応してくれる整体や整骨院、カイロプラティック(身体の歪みを治すことで痛みの軽減や機能改善を図る施術方法)などを探して、医療知識を持った専門家に施術してもらいましょう。

ストレッチについても妊娠初期は極力控えた方がいいです。整体や整骨院で施術を受けるときに、妊娠初期でもできる腰痛対策のストレッチを教えてもらうのが良いです。

・整形外科で電気治療を受ける

電気治療とは患部に電流を流して、痛みで硬くなってしまった筋肉の緊張をほぐし血流を促進して痛みを和らげる治療法のことです。

電流の種類や強さに気をつければ妊婦でも電気治療を受けることができます。ただし事前に担当医に妊娠していること、妊娠何か月なのかを必ず伝えましょう。

・身体を温める

身体を温めて血流を良くし溜まった疲労物質を流しましょう。患部を温めるだけで痛みが和らぐことがあります。

湯船に浸かって全身を温めるのはもちろん、腰にカイロを貼ったり湯たんぽを用いたりして部分的に温めるのも効果的です。

授乳クッションを活用し、寝ている時の腰への負担を減らす

腰痛で悩んでいる方の中には「夜寝るときに腰が痛くて眠れない」「夜中に腰痛で起きてしまう」といった睡眠にまつわるトラブルを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このような場合は、寝るときの体勢に気をつけましょう。一般的に1日の3分の1程度私たちは寝ています。したがって寝ている時の姿勢が悪いと腰痛を悪化させてしまうのです。

腰痛の悪化を防ぐには、横向きで寝ることが重要です。特に片側のみ腰の痛みがある場合、痛みのある方を上にして横向きの体勢をとります。

また、横向きの寝方の中でも妊婦に最適といわれている「シムスの体位」という体勢を試してみると良いでしょう。

シムスの体位では、左側を下にして横になります。下になった腕を背中側に、上側の腕を軽く曲げて胸側に置きます。この時、縦長の授乳クッションを利用して上半身の右側を、クッションの上に覆いかぶさるようにすると簡単にシムスの体位をとることができます。

もちろん授乳クッションでなくても抱き枕などで代用できます。しかし出産後、授乳クッションは腰の負担を減らすためにも必須アイテムです。

授乳クッションは赤ちゃんがかなり小さい、生後半年程度までしか使わないので、せっかく購入するのであれば妊娠初期から購入して長い期間使うのが良いと思います。

薬を使用する

上記のいずれを試しても改善されない場合は、薬を用いて痛みを抑えることも検討してみましょう。腰痛で眠れない場合など日常生活に支障がでる場合は、我慢してストレスを溜めるよりも薬を用いた方が良いのではないでしょうか。

ただし、薬を使用したからといって腰痛が治るわけではありません。薬を使いながら動作や姿勢に気をつけて根本解決を図りましょう。

妊娠中でも使える腰痛に効果のある薬にはどのようなものがあるのでしょうか。

・腰痛の痛みを和らげる貼り薬

「湿布であれば問題ないだろう」と自己判断してドラッグストアで購入した湿布などを使用するのは大変危険です。

湿布に含まれる成分の中にはNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)という分類の鎮痛成分があります。痛みを抑える作用は強いのですが、その分副作用のリスクも高いため妊娠中は避けた方がよいといわれています。

NSAIDに分類される鎮痛成分にはロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)、インドメタシンなどがあり、いずれの成分も胎児に有害な作用を与える可能性があります。

「少しくらい大丈夫」などと軽い気持ちで使用しないようにしましょう。

一般的に妊娠中でも使える湿布の成分としてサリチル酸メチル(MS湿布)、サリチル酸グリコール、メントールなどが挙げられます。

これらの鎮痛成分はNSAIDに分類されず、作用も緩やかです。したがってドラッグストアでも購入可能ですが、これらの成分と同時に他のNSAIDや別の成分が配合されていることもあるので、病院で処方してもらうのが安心でしょう。

私は妊娠中にお腹が非常にかゆくなり、産婦人科で相談したところメントール配合の塗り薬を処方してくれました。スーっとする清涼感でかゆみが治まりました。何より塗るだけで気持ちいいです。

メントールはミントから抽出された鎮痛・消炎作用を持つ天然植物成分です。化学的に合成された鎮痛成分を使う前に、まずはメントール単独配合の湿布を使用してみてはいかがでしょうか。

・腰痛の痛みを和らげる飲み薬

「腰痛の範囲が広い」「湿布では痛みが治まらない」という場合は痛み止めを服用することができます。

妊婦でも使用できる鎮痛薬として「アセトアミノフェン(カロナール)」があります。腰痛はもちろん頭痛・歯の痛みにも効果のある薬です。

ドラッグストアでもアセトアミノフェンが配合された痛み止めを購入できますが、妊娠中は母体の状態や週数によって投与量や服用すべきかの判断が異なってくるため、病院で処方してもらうようにしましょう。

・局所麻酔薬を注射

「ブロック注射」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ブロック注射では、局所麻酔薬を使用して痛みを抑えると同時に筋肉の緊張をほぐしたり、炎症を抑えたりして血流を改善します。

一時的に痛みを抑えるのではなく自然治癒力を高めて痛みを根本から取り除くことも期待できます。

ブロック注射は妊娠中でも受けることができます。「注射」と聞くと赤ちゃんにもダメージがあるのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、鎮痛薬を服用するよりも安全だと考えられる場合もあります。

なぜならブロック注射の場合は、痛みの部位にのみ少量の局所麻酔薬を使用するので全身への影響を最小限に抑えられるからです。一方で、飲み薬の場合は血液を流れてお腹の赤ちゃんにも影響が回る可能性があります。

ブロック注射はペインクリニックや麻酔科などで受けることができます。

まとめ

妊娠中の腰痛はホルモンによる影響が大きいため防ぐことは難しいですが、骨盤ベルトを活用したり、日常の姿勢・寝る時の姿勢や動作に気をつけたりすることで腰痛が治る場合があります。

また同時に身体を温めたり、便秘を解消したりなど生活習慣も見直しましょう。それでも腰痛が改善されない場合は整骨院や整形外科で治療を受けたり、薬を服用したりする選択肢もあります。

いずれにしても腰痛を我慢し過ぎるのは良くありません。

一方で、腰痛以外に症状が見られる場合は椎間板ヘルニアや腎臓・子宮の疾患が潜んでいる可能性があります。その場合は、病院で詳しく検査をしてもらいましょう。