葉酸は腸内細菌に関係しており、妊活・妊婦に重要である

公開日: : 最終更新日:2019/01/22 葉酸

 

葉酸は、妊娠を考えている女性に必須といってもいいほど大切なものです。しかし、葉酸はサプリメントや食べ物から摂取しなければならず、人間の体ではつくられないのでしょうか。

答えは半分正解です。

私たち人間は葉酸を自ら作り出すことはできません。その代わり、腸内細菌が葉酸合成を手助けしてくれています。これにより、妊娠女性に必要な葉酸をつくる手助けをしてくれています。

葉酸を合成する腸内細菌がいないと、せっかく妊活のために葉酸サプリメントを摂取しても効果を充分に発揮することができません。そのため、腸内の環境を整えることはこれから妊娠を考えている女性にとって大切なのです。

ここでは腸内細菌の改善によって、葉酸のサプリメントの効果をより発揮しやすくできる理由を解説していきます。

葉酸作りや健康にも関係する腸内フローラ

腸内環境について理解するとき、腸内フローラという言葉をよく耳にします。

私自身、「ヨーグルトなどの乳製品を摂ると腸内環境がよくなる」「オリゴ糖は腸内環境を良くするためにいい」「腸内フローラが健康のために大切だ」とドラックストアやCMで、目にしたり耳にしたりすることは多いです。

そもそも「腸内フローラ」とは何でしょうか。聞いた感じでは、とてもいいものに聞こえます。

しかし、腸内フローラ自体は良いものでも悪いものでもありません。

私たちの体の中には約1000兆、約1000種類の細菌が小腸から大腸にかけて住みついています。約1000兆の細菌が人間の腸の壁にひしめき合い、へばりついているのです。重さにすると約1.5~2キロになります。

顕微鏡でその姿を覗くと、まるでお花畑(flora:フローラ)に見えることから腸内フローラと呼ばれています。

つまり、腸内フローラは人間の腸に細菌がくっついている様子を表現した単語です。

このような腸内フローラですが、体内に膨大な数の細菌が存在するため、私たちの健康に大きく関わっています。いいお花畑であれば私たちの健康状態は良好になり、悪い雑草混じりのお花畑だと健康を損ねることになってしまいます。

良いお花畑では葉酸を作ってくれます。それだけでなく、その他のビタミンや幸せホルモンであるセロトニンも作り出します。

しかし、悪いお花畑では葉酸もその他の良い物質も作られません。腸内フローラを改善することは、特に妊娠を考えている女性に思慮してもらいたいことです。

腸内環境を良くする「善玉菌」

現代人の腸内環境は、昔に比べて悪化しています。それは、食の欧米化や野菜不足、ストレスに起因しています。

そもそも「腸内環境がいい」とはどのような状態を指すのでしょうか。

腸内環境は善玉菌、悪玉菌、日和見菌(どっちでもない菌)によってつくられています。腸内の中の大多数を日和見菌(どっちでもない菌)が占めています。そして、残りを善玉菌と悪玉菌が占めているのです。

腸内フローラがいい状態、つまりいいお花畑には悪玉菌より善玉菌が多いです。この反対に腸内フローラが悪い状態、つまり悪いお花畑は悪玉菌の割合が高いです。

・善玉菌とは

それでは、善玉菌とは何でしょうか?善玉菌は大きく「ビフィズス菌」と「乳酸菌・酪酸菌」に分けられます。

善玉菌の主役がビフィズス菌で、サポートをする役目が乳酸菌・酪酸菌です。

葉酸はビフィズス菌によって作られています。この、ビフィズス菌を増やすことで葉酸が体内に作られるようになるのです。

腸内環境を改善すると葉酸が増え、妊娠しやすい

腸内環境を改善すると、ビフィズス菌が増えて葉酸が合成されるようになります。それだけではなく、葉酸の摂取効率も上昇し、妊娠しやすい身体になります。

不妊症で悩む女性は多いです。不妊症の中の3分の1は原因不明といわれています。しかし、

近年では「妊娠しにくい身体をつくる原因の一つに、腸内環境の悪化による葉酸不足がある」と指摘されています。

また、妊活中にいくら葉酸のサプリメントを摂っても、腸内環境が悪いと効率的に摂取できないこともわかっています。腸内で悪玉菌が増殖すると葉酸の吸収率が下がってしまうのです。

腸内フローラ(腸内細菌叢)を良くするために実践すべきこと

腸内フローラ(腸内細菌叢)が悪い状態で葉酸のサプリメントを摂取したとしても、充分な量の葉酸を摂取できません。葉酸のサプリメントの必要摂取量はあくまで腸内環境が正常な人に対して記載されています。現代人はなにかと、腸内環境を崩しやすいです。

事実、便の調子が悪くて肌荒れをしやすく、ガスが溜まりがちな方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、どのようにしたら腸内フローラをいい状態に改善できるか、記述していきたいと思います。

・食物繊維を摂る

食物繊維は善玉菌の栄養源になります。そのため、食物繊維を意識して摂る事は善玉菌を増やすことにつながります。

食物繊維というと野菜サラダを想像する方も多いと思いますが、野菜サラダとして定番のキャベツ、キュウリ、トマトには食物繊維は少ないです。

食物繊維が多い食べ物は、豆類、干しシイタケ、切り干し大根、ゴボウ、海藻類、コンニャクなどです。

・オリゴ糖を摂る

腸内フローラを改善するためには、悪玉菌が住みにくい環境をつくることが大切です。そのためには善玉菌の餌になる「オリゴ糖」を摂取することで善玉菌を増やし、元気にさせ、悪玉菌を追いやることができます。

オリゴ糖は直接摂取することもできますが、ネギや玉葱、ゴボウ、アスパラガス、大豆、牛乳、バナナに多く含まれています。これらの食品は積極的に食べることをお勧めします。

上記の「食物繊維を摂る」「オリゴ糖を摂る」ことは直接善玉菌を取り入れるわけではないですが、善玉菌の餌になる食品です。これら、善玉菌の餌になるものを「プレバイオティクス」といいます。

・善玉菌を摂る

「善玉菌を摂る」という意味は、「数が多いものは勝つ」という原理を表します。日常的にビフィズス菌など善玉菌のサプリメントを摂取していると、善玉菌の量が増えるので悪玉菌は相対的に少ない状態になります。

また、食品としてはヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆、漬物、味噌、チーズ、キムチなどの発酵食品を積極的に食べるといいです。

善玉菌とは、それぞれの菌に対して一種類ではありません。例えば、乳酸菌は約300種類存在します。

善玉菌の餌になるものを「プレバイオティクス」というのに対し、直接生きた善玉菌を「プロバイオティクス」といいます。

・生活習慣を改め、ストレスをためない

腸内細菌はとても敏感な生き物です。その繊細さは私たちの精神状態とも関係していて、ストレスや睡眠不足な状態が続くと善玉菌は死んでしまいます。

そのため、腸は「第二の脳」ともいわれているのです。

いい腸内環境を保つためにも生活習慣を改め、ストレスは溜めないようにしましょう。

腸内フローラを悪くする原因を理解する

その一方で、腸内フローラを悪化させてしまう原因も存在します。これらはできるだけ避けるようにしましょう。具体的には、以下のようなものがあります。

・肉を中心とした食生活

善玉菌の餌がオリゴ糖であることに対し、悪玉菌の餌は腐敗したたんぱく質です。肉類や魚はからだには大切な食べ物ですが、食べすぎは禁物です。さらに野菜不足の食生活を続けていると腐敗が進み、悪玉菌が増えた状態になります。

・抗生物質の乱用

日本では抗生物質の乱用が問題になっています。特に、風邪で抗生物質が処方される日本は抗生物質乱用大国です。そもそも「ただの風邪」の原因のほとんどがウイルスによるものであり、抗生物質を服用したところで効果はありません。

医療保険制度がある日本だからこそ、気軽に抗生物質が処方され、こういった薬の無駄使いが起きてしまうのです。

「ただの風邪」に抗生物質の効果がないだけであるなら、さほど問題にはなりません。しかし、抗生物質は腸内フローラを崩して、腸内のお花畑を荒野へと変えてしまうのです。

こうしたことから、無駄な抗生物質の乱用は避けるようにしましょう。少なくとも、風邪というだけで抗生物質を服用してはいけません。

バイオジェニックス(死んだ菌)も腸内環境に効果的

これまでは、腸内フローラが腸内環境の改善に役立っているという説明をしました。しかし、この腸内フローラとは関係なく、腸内環境を改善するものがあることも明らかになっています。

よく「生きたまま腸に届く」とうたっている商品があります。ただ、「生きた菌(プロバイオティクス)が腸内に届いても、数が少なければ人の腸内フローラへの仲間入りを果たせず、死んでしまうことが大半である」と、研究で明らかになっています。

では、「大量の生きた菌を摂取しなければいけないのか」と考えてしまいますが、ヨーグルトや普段の食生活で生きた善玉菌を摂取するのは限度があります。

そこで、さらに実験で明らかにされたことですが、「死んだ菌でも生きた菌と同等に腸内環境を改善してくれる」ことが明らかになってきました。つまり、腸内フローラには死んだ善玉菌も摂取する意味があるのです。

死んだ善玉菌を摂取することにより、腸内環境を整える方法は、腸内フローラとは関係ありません。そのため、「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」とは別に「バイオジェニックス」といわれます。

生きたまま腸まで届く菌を摂らなくても、生きた菌と同様、死んだ菌も効果的です。バイオジェニックスも、葉酸を合成する助けとなる大切なものなのです。

・バイオジェニックスは死んだ乳酸菌で摂れる

プロバイオティクス(生きた菌)として食べていたヨーグルトなどの乳酸菌は、ほとんどが腸内に住み着くことはありません。しかし、ヨーグルトを食べるということはバイオジェニックスとしての効果を期待することができます。

腸内で死んでしまう善玉菌もバイオジェニックスの効果を発揮します。そのため、バイオジェニックス効果を期待できる食べ物は、乳酸菌を含む食品全体です。すなわち、普通のヨーグルトやチーズ、納豆などです。

これに対し、生きたまま腸に届くように改良されたプロバイオティクスとしての乳酸菌は菌の種類が少ないです。生きたまま腸まで届くことを謳ったヨーグルトは数が限られています。

プロバイオティクスよりもバイオジェニックスの方が食品としての種類が多いためより、バイオジェニックス(死んだ善玉菌)については簡単に摂取することができます。

腸内環境を整えることはプレ妊活になる

「葉酸のサプリメントを、妊娠を予定する女性は摂るべきだ」ということを知っている方は多いと思います。そこで、「葉酸サプリメントを活用する前に、プレ妊活として腸内環境を整える」ことを、妊娠希望の女性にお勧めします。

プレ妊活とは、妊活を始める前に行うものです。プレ妊活として腸内環境を整えておくことによって、妊活で葉酸を摂取したときにより効果を発揮できるようになります。

前述のように、腸内環境を良くする方法を説明しました。「この中で、どれが一番の効果的か」と決めつけることはできません。なぜなら、人の腸内フローラに住む腸内細菌叢は繊細なものである上に、人によって違います。

そこで腸内フローラを良くする生活を心がけ、いろいろな食品を試してみてください。

腸内フローラが改善されてくると、便の調子が良くなったり、ガスが溜まりにくくなったりするため、自身で実感が持てます。プレ妊活として腸内環境を改善すれば、妊活として葉酸サプリメントを摂取したときに効果を発揮できます。

まとめ

葉酸サプリメントを摂ることは妊娠を考えている女性には必須です。このとき葉酸サプリメントの摂取に加え、生活の中で腸内環境を良くすることを心がけると、さらに健康的な赤ちゃんを産む手助けになってくれます。

腸内環境を改善したからといって、妊婦にとって充分な葉酸を善玉菌が作り出すとは限りません。また、より葉酸の吸収率を高めるには葉酸サプリメントの摂取が必要です。

そこで、腸内環境を改善してから、葉酸サプリメントを摂取することに意味があります。

まずは腸内フローラやバイオジェニックスへの理解を深め、腸内環境を整えるように心がけてください。そうすることによって、妊活で葉酸サプリメントを摂取したときにより効果が発揮できるようになります。

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