妊娠5ヶ月(妊娠16週・17週・18週・19週)は、いよいよ「安定期」と呼ばれる時期です。つわりが終わる方が多く、体調が安定し流産のリスクも低くなります。
したがって妊娠16週を過ぎると、妊娠報告をする方も多いのではないでしょうか。
また、妊婦ライフを楽しめる時期でもあり、マタニティーグッズやベビー用品・出産の用意をするのもお勧めです。
しかし、安定期とはいえママの身体・お腹の赤ちゃんの身体は日々変化していきます。そこで「妊娠5ケ月で気をつけるべきこと」「妊娠16週・17週・18週・19週の赤ちゃんの身体の変化」「マタニティーライフを充実させるためのママのチェックリスト」について、それぞれ作成しました。
もくじ
妊娠5ケ月(妊娠16週・17週・18週・19週)で生じるママの身体の不調
妊娠5ケ月のママの身体の注意点について説明します。
まず、つわりが落ち着くといわれている妊娠16週以降において、以下のようなマイナートラブルがみられます。
- 腰痛
- お腹の張り
- 偏頭痛
- 貧血
- 胸の張り
- 吐き気
それぞれ詳しくみていきましょう。
・腰痛
妊娠5ケ月だと「まだそんなに体型変わってない」と思うかもしれませんが、お腹が膨らみ始めることで重心が前に移り腰に負担がかかるようになります。
また、妊娠中は便秘になりやすいため、腸内に溜まったガスが骨盤や背骨を圧迫し腰痛を引き起こすことがあります。
正しい姿勢を心がけ、便秘にならないように気をつけましょう。
・お腹の張り
「キューっとしたお腹の張り」「下腹部がチクチクする」「生理のときのような腹痛」といった症状は子宮収縮によるものです。筋肉でできている子宮が伸びたり縮んだりするのは妊娠による生理現象の一つです。
子宮収縮によるお腹の張りは一時的なもので安静にしていれば治まります。
・偏頭痛
偏頭痛持ちでない方でも妊娠中は偏頭痛が生じやすくなります。これは女性ホルモンの一種、卵胞ホルモン(エストロゲン)によるものです。
卵胞ホルモンには血管を拡張する作用があるため脳内の血管を拡張し、それが周りの神経を圧迫することで偏頭痛をもたらすと考えられています。
・貧血
妊娠5ケ月に入りお腹の赤ちゃんが成長するにつれて、必要な血液量がさらに増えます。そのため妊娠中は貧血になりやすい状態です。
頭痛・動悸・めまい・だるさといった症状がみられる場合は貧血が原因の可能性があるので、病院で診てもらうようにしましょう。
・胸の張り
妊娠中は黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増加する影響で、乳房の乳腺組織が増えます。その結果、乳房の張りやかゆみ・胸の痛みを感じるようになります。
また、早い人だと妊娠16週から母乳が出始めます。ただ、この時期の母乳はまだ完全なものではなく産後に赤ちゃんへ与える母乳を作るための準備をしているのです。
・吐き気
安定期に入っても吐き気が続く人もいます。また、「つわりが終わった」と思っていたのに妊娠16週に入って復活する、あるいは悪化する妊婦さんもいらっしゃいます。
吐き気は女性ホルモンの影響、胎児の成長で胃が圧迫されること、便秘、頭痛など様々な要因が複雑に絡んで引き起こされている可能性があります。
安定期を過ぎた妊娠5ケ月以降の胎児のトラブル
安定期を過ぎた妊娠16週以降に流産や胎児の異常が見つかることもあります。
・流産、死産
妊娠22週までに妊娠が終わることを流産、妊娠23週以降の胎児が生存できない状態を死産と呼びます。
妊娠初期に比べると流産する確率は大きく下がりますがゼロではありません。妊娠初期の流産は胎児側に異常が多く見られますが、妊娠16週以降の流産・死産では母体に異常が見られることが多いといわれています。
例えば、胎盤が通常よりも出口(膣)に近い位置に付いてしまう「前置胎盤」では流産の危険性が高まります。しかし、こまめに検査を受け、安静にし、必要であれば待機入院して帝王切開で出産することで流産・死産・早産のリスクを減らせます。
また、妊娠5ケ月で前置胎盤の疑いがあったとしても、妊娠が進むにつれて胎盤の位置が正常に戻ることもあるのです。前置胎盤は多くの場合、検診で見つかりますが、腹痛や出血といった自覚症状が現れることもあります。
・破水
「破水は出産直前にしか起きない」と考えている方も多いと思いますが妊娠16週に破水することもあるのです。破水とは赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れ羊水が流れることを意味します。
妊娠中期の破水は感染症や喫煙、双子の妊娠、重い荷物を持つなど身体への大きな負担などが原因になることがあります。早期に破水してしまうと母子共に危険が及びます。
ただし、妊娠中期の破水の場合、陣痛のような痛みを伴うことは少なく、また流れ出る羊水の量が少ないと「水っぽいおりものがでている」「尿漏れかな?」などと勘違いしてしまうことも多いといわれています。そのため、気づいたときには手遅れになっていることもあるのです。
おりものでも尿でもない、サラサラしている水のようなものが出た場合は、破水の危険性があるので直ぐに病院に行きましょう。
・胎児の異常
妊娠10~14週の検診で胎児のNT(頚部皮膚の厚み)をエコーで測定します。NTが厚い場合、ドクターからは「首の後ろにむくみがある」「首の浮腫」などと言われることがあります。NTが厚いとダウン症などの染色体異常や心臓疾患・感染症などの疑いがあると考えられています。
しかし「NTが厚い=胎児に異常がある」とは言い切れず、健康な赤ちゃんにおいてもNTが厚くなることがあります。ただ正常な場合は妊娠16週以降には首の後ろのむくみは消えていくといわれています。
中絶手術を受ける場合は妊娠5ケ月までに
人工妊娠中絶ができるのは、法律の定めによって妊娠22週未満(妊娠21週と6日)と決められています。したがって経済的な理由・母体の健康上の理由・その他のやむを得ない理由によって妊娠を継続できない場合は、妊娠5ケ月までに受けなければなりません。
その際は原則パートナーの同意が必要です。
妊娠週数が進むほど胎児は大きくなるので、中絶する際の母体への負担も大きくなります。妊娠12週以降の中絶手術では薬剤によって陣痛を引き起こし流産させます。
また、中絶手術はどこの産婦人科でも受けられるわけではありません。国が指定した医師によって行われる必要があります。
さらに、中絶手術には健康保険が適用されないので全て自費になります。病院により異なりますが、検査費用も含めて10万円前後と考えておくとよいでしょう。
妊娠16週の赤ちゃんの様子
ここからは、妊娠5ケ月の1週毎の赤ちゃんの様子とママのチェックリストについてそれぞれ説明していきます。
妊娠16週の赤ちゃんの身長は11~14cm、体重は60~120gほどです。
まだまだ小さな身体ですが、妊娠16週の時点ですべての関節が完成し、手足を自由に動かせるだけでなく、より複雑な動きもスムーズに行えます。
また触覚が既にあると言われ、自分の手や指で、顔やお腹を触っているしぐさを見せることがあるといわれています。
さらに妊娠16週になると聴覚も発達しているため、外部の音が聞こえます。
ママが話しかけると、赤ちゃんはその声を認識し、リラックスすることができるといわれています。たくさんお腹の赤ちゃんに話しかけてあげるようにしましょう。
また、ママのイライラやストレスが溜まり過ぎると、アドレナリンが過剰に分泌され、赤ちゃんへ酸素や栄養が届きづらくなるとも言われています。
赤ちゃんに覚えておいてもらいたい、優しい言葉やあたたかい記憶などをプレゼントしながら、できるだけ穏やかに日々を送りましょう。
妊娠16週でのママのチェックリスト
妊娠16週は安定期に入る時期なので、以下のようなことをするとよいでしょう。
- 妊娠報告
- 戌(いぬ)の日参り
- マタニティー服の準備
- 分娩する病院の予約
- 身体を動かす
それぞれみていきましょう。
・妊娠報告
安定期に入ると身内だけでなく、周りの友人や会社の同僚にも妊娠報告をする方が多いのではないでしょうか。私も安定期まではお互いの両親と親しい友人にのみ話していましたが、安定期を過ぎてから周りの友達に妊娠していることを伝えました。
妊娠報告も妊婦の楽しみの一つではないでしょうか。私は極力直接会って伝えるようにしていました。
・戌(いぬ)の日参り
日本には、妊娠5ケ月目の戌の日に安産を願って神社でお参りをする風習があります。
安産祈願の際、妊婦さんは腹帯(はらおび)という腹巻をしてお参りします。戌の日参りを機会に妊婦帯を使用してみてはいかがでしょうか。
腹帯には腰痛を和らげる他、お腹の冷えや妊娠線を防ぐ役割があるといわれています。妊婦帯にはコルセットタイプ・ガードルタイプ・さらしタイプなど様々な種類があるので身体に合ったものを選びましょう。
・マタニティー服の準備
妊娠16週になると今まで履いていたズボンや下着がきつくなってくるでしょう。お腹の赤ちゃんのためにも、ゆったりと着れるマタニティーウェア・マタニティー下着に変える時期です。
・分娩する病院の予約
一般的に妊娠20週までに分娩する病院を予約する必要があります。特に里帰り出産を考えている方は、早めに病院を探して予約しましょう。病院によっては紹介状が必要なところもあります。
また妊娠16週に入っても、もしまだ母子手帳をもらっていないという場合は、市町村の役所にもらいに行きましょう。
・身体を動かす
安静の指示や「つわりがまだ続いている」場合は別として、安定期に入った妊娠16週頃からマタニティーエクササイズに挑戦しましょう。
マタニティヨガ・マタニティスイミングなど妊婦さん向けのスポーツ教室を探してみるとよいです。他にも手軽にできるスポーツとしてウォーキングがあります。30分から1時間程度を目安に、動きやすい服装でトライしてみましょう。
妊娠17週の赤ちゃんの様子
続いて妊娠17週についてです。
妊娠17週の赤ちゃんの身長は12~17cm、体重は100~150gくらいです。赤ちゃんの発育には個人差があるものの、身体には脂肪がついて、ふっくらとした体つきになります。
特に、肩甲骨の裏側付近に「褐色脂肪」という脂肪がついてきます。褐色脂肪は、身体の中のカロリーを熱に変えて拡散する働きがあり、赤ちゃんが「自分で熱を生み出せるようになる」ということを意味します。
もちろんまだまだママの体温などに依存しているのですが、皮膚は厚くなり体温調整の機能を持つ甲状腺も発達し、着実にお腹の外での生活の準備が始まっているのです。
妊娠17週でのママのチェックリスト
妊娠17週のママがマタニティーライフを充実させるためにするべきことを紹介します。
- 胎動に意識を向けてみる
- 両親学校に参加してみる
- 寝るときの姿勢を見直す
それぞれみていきましょう。
・胎動に意識を向けてみる
早ければ妊娠17週頃から胎動を感じられます。一般的には、「もともと太っている方よりも痩せている方の方が、赤ちゃんの胎動を感じやすい傾向にある」と言われています。また、胎動を感じるのは「経産婦のほうが初産婦より早い」といわれています。
この時期の胎動は、お腹の中でガスがはじけるような、また痙攣するような、かすかな動きです。下腹部にぷくぷく、ピクピクというような小さな動きでしかないので、初産のママは気づきにくいかもしれません。
静かに横になっていると感じやすいといわれています。私の場合も初めて胎動を感じたのは、昼にソファで横になってくつろいでいたときです。最初は「気のせいかな?」と思いましたが、続けてお腹の中でかすかな振動を感じたので「これか!」と感動したのを今でも覚えています。
胎動を感じるまでは、お腹の赤ちゃんが「本当に生きているのか」「ちゃんと育っているのか」と常に検診まで不安な気持ちを抱えていました。しかし、胎動を感じるようになってからはこのような不安は消え去り「胎動って便利だな」と思いました。
ただし、妊娠17週に胎動を感じないからといって焦る必要はありません。胎動を感じる時期には個人差があるので、待っていればそのうちかすかな動きを感じるはずです。
・両親学校に参加してみる
地域や産院で開かれている「マタニティー教室」に参加してみるのもお勧めです。妊婦さんのみが参加するクラス、パパとママと二人で出席できる教室などがあります。できるだけパパと二人で足を運んでみましょう。
この時期から産後の赤ちゃんのお世話の方法を聞いておくことで、パパの育児への関わり方にも影響があると考えられます。
また、同じ時期に出産を予定しているママ友・パパ友を作るよい機会にもつながります。積極的に参加しましょう。
私も妊娠中に参加したマタニティー教室でできた友達と今でも仲良くしています。同じくらいの月齢の子どもを持つママとは悩むことやトラブルなどが似ており話が合うものです。
・寝る時の姿勢を見直す
妊娠17週頃から赤ちゃんの成長が急速になり、ママのお腹もどんどん膨らみます。そのため、仰向けで寝るのが少しずつ苦しくなってきます。妊娠17週頃から寝る時の姿勢を見直しましょう。
お腹の大きい妊婦さんは「シムス体位」をとって寝ることをお勧めします。シムス体位で寝ることでお腹の重みによる寝苦しさを緩和させるだけでなく、血液の循環が良くなる効果やリラックス効果があるといわれています。
シムス体位は身体の左側を下に向けて左足を真っ直ぐ伸ばします。右足はつけ根から曲げて右側の上半身で覆いかぶさるようにして寝ましょう。
このとき、授乳クッションがあるとシムス体位の姿勢がとりやすくなります。
授乳クッションとは、授乳する際に赤ちゃんの身体を支えてママの負担を減らす産後に必要なアイテムです。「まだ購入は早いでしょ……」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、授乳クッションを使用する期間は産後半年くらいまでです。
それなら今から購入して寝るときのサポートに活用したらいいのではないかと思います。もちろんシムス体位は抱き枕や縦長のクッションなどでも代用できます。
妊娠18週の赤ちゃんの様子
続いて妊娠18週についてです。
妊娠18週の赤ちゃんの身長は13~18cm、体重は150~200gほどへ成長します。顔にも脂肪がつき、3~4頭身になるなど、ますます人間らしくなります。
また、赤ちゃんの身体には産毛が全身に生えてきて、赤ちゃんの体温を保つことができます。さらに皮膚や細胞を保護することができるクリーム状の脂である「胎脂」が作られ始めます。
一方で、身体の神経回路も発達が進みます。身体の各部分に起こる刺激を感じられるようになり、自分の意思で身体を自由に動かすようになるのです。
そのため、超音波エコーなどで、時々赤ちゃんの頭が反対になっている姿勢を見ることがあります。「逆子なのでは?」と不安になるかもしれませんが、これは赤ちゃんが自由に動きまわっているだけなので心配いりません。
さらに妊娠18週頃からお腹の赤ちゃんは様々な練習を始めます。指しゃぶり、排尿、胎便や物を飲み込む練習などお腹の外へ出る準備をこの時期から始めているのです。
妊娠18週でのママのチェックリスト
妊娠18週のママのチェックリストは以下の通りです。
- 便秘に気をつける
- 遠出、旅行は体調と相談した上で計画する
- 骨盤ベルトの装着
- 体重管理をする
それぞれ詳しくみていきましょう。
・便秘に気をつける
妊娠中は女性ホルモンやお腹が大きくなる影響で腸が圧迫されて、便秘になりやすいといわれています。また、便秘を放置していると痔を招くことがあります。
これは、妊娠18週頃から骨盤の血液量が更に増加して直腸に静脈瘤(痔の原因になる血管の膨らみ)が出来やすくなるためです。便秘によって排便時に力強くいきんでしまうと血液が溜まりやすくさらに痔になりやすい状態になります。
便秘が続く場合は、痔を招く前に食事の見直しや水分摂取をこまめに行うなどして早期に対策をとりましょう。
・遠出、旅行は体調と相談した上で計画する
安定期に入り落ち着いてくると、「出産前の最後にゆっくり温泉旅行がしたい」「海に行きたい」「ディズニーランドに行きたい」など旅行や遠出をしたいと考える妊婦さんが増えてくるのではないでしょうか。
基本的に「妊婦さんが遠出や旅行をしてはいけない」という決まりはありません。妊娠中であっても飛行機に乗れますし、温泉にも入れます。実際に私も安定期に入ってから海外旅行をしました。
航空会社によっては搭乗前に医師の診断書の提出を求められると聞いていたので準備していましたが、特に何も尋ねられませんでした。
旅行中は予定を詰めずにひたすらゆっくりしてリラックスできました。日本では時々「妊娠中に旅行なんて危険だ」という意見も耳にしますが、無理をせず自分がリラックスできるのであれば問題ないと思います。
ただし、風邪をひいたり転倒したり身体を長時間冷やしたりしないよう体調管理には十分気をつけましょう。
・骨盤ベルトの装着
妊娠18週頃からお腹が大きく前へせり出してくることから、身体のバランスが取りづらくなり、身体が反り気味になって腰痛が酷くなる妊婦さんが増えてきます。
そこで腰回りの筋肉の負荷を減らす骨盤ベルトの装着がお勧めです。
また、妊娠18週頃は出産に向けて骨盤が緩み始める時期でもあります。妊娠中から、骨盤ベルトで外からサポートすることで骨盤のゆがみや痛みを抑えることができるのです。
産後は更に骨盤が開き、ゆがみやズレを生じます。ゆがんだ骨盤を自然に戻すのは難しいといわれており、産後も骨盤ベルトは活用できます。
したがって妊娠18週頃から骨盤ベルトを用意すると良いでしょう。私自身、妊娠中から「トコちゃんベルト」を使用していました。その影響か、産後の骨盤の戻りの早さに助産師さんから驚かれました。
ただし、骨盤ベルトには正しい巻き方があります。必ず、正しい付け方を先生や助産婦さんなどに聞いてから着用するようにしましょう。
・体重管理をする
妊娠18週あたりから是非始めたいのが体重管理です。多くの妊婦さんが妊娠5ケ月を過ぎた頃から急激に体重が増え始めます。
つわりが終わり何でもおいしく食べられることに加え、赤ちゃんに大量のエネルギー源である糖分を送る必要があるため、食欲が止まらなくなる方も多いのではないでしょうか。
私も妊娠中の体重管理には頭を悩ませました。無性に甘いものが食べたくなり体重増加を気にしながらもバクバク食べていました。この時期から毎日体重測定をする習慣をつけましょう。
そして1週間で体重増加の目安を500g以内に抑えるようにしましょう。妊娠後期は300g以内を目安にすると良いです。
妊娠19週の赤ちゃんの様子
いよいよ妊娠5ケ月最後の週についてです。
妊娠19週の赤ちゃんの身長は16~20cm、体重は200~280gくらいになるといわれています。妊娠19週頃にはママ・パパの楽しみの一つであるお腹の赤ちゃんの性別が判明します。
男の子の場合は性器が見つけやすいため妊娠18週までに性別が判明しやすいのですが、女の子の場合は性器が内側にあるため確定するのが難しいのです。
しかし、妊娠19週あたりで卵管や卵巣・膣が完成し、女の子であることがハッキリとわかるようになってきます。それまでは「多分女の子」といわれていた方も妊娠19週になると性別が確定できるでしょう。
また、女の子はその体内で、卵子の素となる「原始卵胞」というものが活動するようになります。まだ生まれてもいない赤ちゃんですが、身体の中ではすでに次の世代につながる準備、つまり妊娠するためのシステムが出来上がりつつあるのです。
さらに、腎臓や膀胱が完成します。口から肛門まで続く消化器官からいろいろな「消化液」を分泌するようにもなります。
「消化液」は、身体に取り込まれた食物を分解・吸収する助けとなるものですから、赤ちゃんにもそれが分泌されるようになったということは、赤ちゃんが体内で自分自身の栄養吸収システムを構築したということを意味するのです。
そして、白っぽい色をしていた赤ちゃんの皮膚はだんだんと肌色と呼べるような色になり、赤ちゃんらしい姿へと成長を遂げていきます。
妊娠19週でのママのチェックリスト
妊娠5ケ月最後の週にするべきチェックリストは以下の通りです。
- 胎教を始めてみる
- 自転車の運転に注意を
- ママ自身のスキンケアを入念にする
以下で中身を確認していきます。
・胎教を始めてみる
妊娠19週には多くの方が胎動を感じることができます。同時に、お腹の中で動き回っている赤ちゃんは聴覚が発達しているため、外の声が聞こえています。
そこでお腹の赤ちゃんとママとの間でコミュニケーションをとって、赤ちゃんの脳を刺激することを胎教(たいきょう)と呼びます。
胎教をすることで「落ち着いた子に育つ」「頭が良くなる」などといわれていますが医学的な根拠はありません。しかし、胎教によってママの声に慣れ親しんだり、脳の形成に良い影響を与えたりすることについては根拠があると考えられています。
例えば、赤ちゃんが動いている時にママがお腹を軽くポンと叩いてみたり、話しかけたりしてみましょう。その他にもクラシック音楽を聴いてママがリラックスすることで赤ちゃんの脳の発達に良い影響を与えるといわれています。
・自転車の運転に注意を
妊娠19週になるとお腹の膨らみによって急激に身体のバランスが取りにくくなってしまいます。
「これまで自転車を利用していても何も問題なかった」という方でも、強い風や少しの障害物などで大きくバランスを崩し転倒してしまう危険性があります。
「今までとはバランス感覚が違う」ということを念頭に置いて、十分気をつけて自転車を利用するようにしましょう。
その他、バランス感覚を必要とするスポーツやレジャーなども考慮した上で参加するようにしましょう。
・ママ自身のスキンケアを入念にする
妊娠・出産して変化するのは身体の内側、体型だけでなく肌も例外ではありません。
妊娠すると、お腹の膨らみに皮膚の伸びが間に合わず「妊娠線」という皮膚の断裂が生じます。
このような線が下腹部にできてしまうのです。これは、「肉割れ」「ストレッチマーク」とも呼ばれ、一度出来ると消すのが非常に難しくなってしまいます。
したがって、妊娠線を作らないためには予防ケアがとても重要です。皮膚が柔らかい状態であれば伸びやすく亀裂は入りにくくなります。そのためにも、お腹の皮膚を乾燥させず、しっとり柔らかな状態をキープしましょう。
妊娠線は、お腹が最も大きくなる妊娠後期(妊娠8ケ月以降)にできる妊婦さんが多いといわれています。つまり妊娠線を予防する前には妊娠中期からお手入れを始める必要があるのです。
妊娠線に効果があるとされるオイルやクリームなどでケアしましょう。私の場合は妊娠初期からお腹のかゆみが気になっていたので妊娠中期よりも前に妊娠線用のオイルを塗布していました。そのおかげか妊娠線はできませんでした。
また、妊娠中は妊娠線以外にも、肌にシミが出来やすくなるという肌トラブルが発生します。これは妊娠すると分泌が増える女性ホルモンによって、肌がちょっとした刺激や紫外線に敏感になりメラニン(シミの元になる色素)が作られやすくなるためです。
したがって、妊婦さんはいつも以上に紫外線対策を行わなければなりません。実は私には妊娠中に紫外線対策・美白ケアを怠った結果、シミを増やしてしまったという苦い経験があります。
妊娠中は毎日、外で1時間程度のウォーキングをしていたこと、産後スキンケアをきちんとしていなかったことが原因ではないかと考えています。妊娠中はいつも以上に日焼けしやすく、シミができやすいことを忘れないようにしましょう。
妊娠中は様々な体調のマイナートラブルがあり、妊娠線の予防ケア・シミ対策にまで意識が回らないかもしれませんが、出産後に後悔しないためにもスキンケアは入念に行いましょう。
まとめ
妊娠中期に入ると赤ちゃんの成長が急激に進むため、毎週あなたの身体にもお腹の赤ちゃんにも変化がみられます。妊娠5ケ月は性別が分かったり、胎動を初めて感じたりと赤ちゃんをより身近に感じ取ることができる時期です。
一方で、ママのお腹は日々膨らみ、腰痛や便秘・体重増加に悩んだりします。しかしつわりとは異なり、予防や対策することができるものなので、骨盤ベルトを装着したりシムス体位で寝るようにしたり、食事に注意して体重管理をきちんとしたりしましょう。
これから妊娠後期に入ると、ますます身体のバランスが取りにくくなります。したがって妊娠中期の早い段階で出産に向けての準備や最後の旅行や遠出など、今できることをできる間にやっておくことをお勧めします。
赤ちゃんのことで頭が一杯になりがちですが、妊娠線やシミを予防するためにママのスキンケアも欠かさないようにしてください。