葉酸には、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを軽減させる効果があります。そのため葉酸サプリは、赤ちゃんの神経管が形成される「妊娠初期だけ摂取すれば良い」と思われている方も多いです。また飲んでいない妊婦であっても、妊娠中期以降では遅いと考える方もいます。

しかし葉酸は、妊娠中期(16~27週)にも重要な栄養素です。妊娠中期からも葉酸を補うことで、妊婦の貧血を防ぎ赤ちゃんの発育をサポートすることができます。

そこで今回は、「なぜ、妊娠中期以降に葉酸が必要なのか」「葉酸の必要量はどのくらいなのか」「葉酸を摂り過ぎた場合、胎児への影響はあるのか」について具体的に解説します。

妊娠中期以降も赤ちゃんの細胞分裂を葉酸がサポート

葉酸は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを軽減させるイメージが強いです。しかし、働きはそれだけではありません。以下のように、葉酸には様々な重要な働きがあります。

  • 細胞分裂を助ける
  • DNAの合成
  • 肺がん・直腸がん・子宮頸がんを予防する
  • 傷口が早く治る(口内炎など)
  • 痛風・腎臓結石・関節炎の予防と改善
  • 心の病の予防と改善
  • 認知症の予防
  • 歯周病の予防
  • 造血作用

この中でも葉酸の「細胞分裂を助ける働き」が、赤ちゃんの発育に関係します。

葉酸が栄養素となり、細胞の中に存在する核酸(DNAやRNAの総称)を合成します。葉酸は細胞分裂に必要なため、葉酸が不足するとDNAがうまく形成されず、細胞分裂ができないのです。その結果、赤ちゃんの発育に支障が出てしまいます。

上の写真は、私が妊娠中期の初め頃(19週)に病院で撮って頂いた写真です。この時期は赤ちゃんの骨が丈夫になり、筋肉がつく時期です。私が胎動を感じ始めたのも、この頃でした。

このときの赤ちゃんの体重はわずか200g、頭からおしりまでの長さは12cmでした。出生体重は3000g以上でしたので、残りの5ヶ月で15倍以上も大きくなる計算になります。このように妊娠中期からは細胞分裂を繰り返し、どんどん赤ちゃんが大きくなる時期です。

初めは受精卵という1つの細胞ですが、細胞分裂を繰り返しヒトへと成長していきます。ヒトの細胞はおよそ60兆個なので、計算上は46回の細胞分裂で60兆個を超える細胞になります。

初めての妊娠の場合は「赤ちゃんは大きくなっているのだろうか」、と健診の度に発育が気になります。実際私も初産婦の時は毎回、赤ちゃんの発育が気になり体重をグラフにつけていました。

しかし葉酸サプリメントを飲んでいたお陰で、妊娠中期からも赤ちゃんの発育は順調でした。そして3290gの元気な赤ちゃんを出産することができました。

このときの分娩は1時間35分と短く、出血も少量で安産でした。産後の体調もよく出産や母乳育児もスムーズだったのは、やはりサプリメントで栄養素を補っていたことも大きいと思います。

したがって妊娠前から葉酸サプリを飲んでない場合でも、気がついたときから授乳期を終えるまで摂取することをおすすめします。

赤ちゃんのためにサプリメントを飲む期間は、振り返ってみるととても短いです。また栄養素を補うことは、赤ちゃんのためでもありますが実は自分自身のためでもあります。

葉酸サプリメント共に、マタニティライフをぜひ楽しんで頂きたいです。

飲んでない場合も遅くない!葉酸が妊婦の貧血を予防する

妊娠中期からは赤ちゃんもどんどん大きくなるため、胎動も分かり始める妊婦さんも多くなります。マタニティライフを一番楽しめるのが、妊娠中期ではないでしょうか。そのような中、心配になってくることがあります。それは貧血です。

貧血は妊婦のおよそ40%の方に起こるといわれています。妊婦の血液は、妊娠初期で20%程度増加します。そして妊娠中期から血液量がさらに増え、最終的には50%も増えます。そのため妊娠中期以降になると血液中の赤血球やヘモグロビンが減少しやすくなるため、貧血と診断される人が多くなります。

貧血はよく耳にする言葉であり、恐ろしい病のイメージはないかもしれません。しかし妊婦が貧血になった場合、様々な影響を胎児に与えてしまいます。

その一つが、妊婦の貧血による胎児の低体重です。米ハーバード大学の研究によると、妊娠初期、中期に妊婦が貧血であった場合、胎児の低体重(2500g以下)のリスクは約1.3倍になることがわかりました。

さらに、妊婦の貧血による早産のリスクは、1.2倍になります。

貧血の中でも、一番多いのが鉄欠乏性貧血です。そのため貧血予防には、鉄を補えば良いと考える人は多いです。しかし実際は、鉄分だけで血液が作られるわけではありません。血液中の酸素を運ぶ赤血球の形成には、葉酸が必要です。

赤血球が作られるときには葉酸(ビタミンの一種)やビタミンB12などが必要になります。葉酸が多い食品はホウレンソウ・アスパラガス・ブロッコリー・納豆、ビタミンB12の多い食品はレバー・魚介類・チーズなどです。

引用:厚生労働省 e-ヘルスネット

葉酸はビタミンB12と共に赤血球を作る働きがあるため、「造血ビタミン」と呼ばれています。

妊娠中は赤ちゃんに栄養素や酸素を運ぶため、多くの血液が必要です。さらに赤ちゃんは、生まれた後に必要な鉄分のうち、約半年分くらいを体内で蓄えます。なぜなら、母乳だけでは鉄分が不足するからです。したがって、妊婦の貧血は生後の赤ちゃんにも影響を与える可能性があります。

また血液中の赤血球やヘモグロビンが少なくなることで、赤ちゃんのみならず母体にも悪影響を与えてしまいます。

  • 動悸
  • 息切れ
  • 倦怠感
  • 疲労感
  • 体の冷え
  • 口内炎
  • 頭痛など

このような慢性的な症状が出やすくなります。

さらに出産の際には、多い人で500ml以上の出血を伴うこともあるため、貧血の症状があると母体の危険も考えられます。

よく耳にする貧血ですが、特に妊婦の場合は母子共に多大な影響があります。貧血を防ぐために普段から、鉄分、葉酸、ビタミンB12などの栄養素を補うことが大事です。

おすすめは食事と併用し、鉄分まで補える葉酸サプリの摂取

では貧血を予防するために、具体的にどのような対策をとれば良いのでしょうか。

一番に思いつくのが、食事に気をつけることです。鉄分が摂れるおすすめの食材は、以下の通りです。

【野菜、果物、芋類】

ビタミンCが鉄分の吸収率を高める

【かき、しじみ、あさり、鮭】

ビタミンB12が赤血球を作る

【緑黄色野菜】

葉酸が赤血球を作る

【魚介類やレバー、大豆】

銅がヘモグロビンの形成を助ける

【肉、魚、卵、乳製品】

たんぱく質が鉄の吸収を高める

私は妊娠中期からは特に上記の食材を意識して、栄養バランスに気を配っていました。そして妊婦教室で教えて頂いた、鉄分が多く摂れるひじきとあさりの煮物をよく作っていました。

【材料】

  • ひじき(乾燥)20g
  • あさりむき身100g
  • だし汁1カップ
  • 酒(あれば)大さじ1
  • 醤油大さじ1

【作り方】

  1. ひじきを水につけて戻す
  2. 鍋にだし汁と酒、ひじきを入れて中火にかける
  3. 5分程度煮たら弱火にして、あさりと好みで砂糖を加える
  4. 3分程度煮て醤油を加え、汁気がなくなるまで煮る

妊娠初期に鉄分が7.5mg必要なのに対し、中期からは18.0mg必要になります。上記のレシピでは、1食あたり12.3mg摂れるため、何度もリピートして作っていました。

その他にも鉄分が多いとされる鶏のレバーを竜田揚げにし、葉酸を含む野菜と一緒に食べるサラダ風のメニューもよく使用していました。

材料

  • 鶏レバー  280g
  • おろし生姜小さじ2
  • 醤油大さじ1
  • 酒(あれば)大さじ1
  • 片栗粉大さじ3
  • 油適宜
  • 野菜適宜(きゅうり、人参、セロリ、かいわれなど)
  • 生姜汁小さじ1
  • 酢 大さじ2
  • 醤油大さじ1と1/3

作り方

  1. 鶏レバーを5分程度水にさらした後、生姜、醤油、酒に15分程度つける
  2. 1に片栗粉をまぶして、中温で揚げる
  3. 野菜を千切りし、2に添える
  4. 食べる時に生姜汁、酢、醤油を混ぜあわせたタレをかける

レバーに下味をつけて揚げることで臭みがなくなるため、レバーが苦手な夫にも好評でした。このメニューで6.7mgの鉄分を摂ることができます。

しかしいつも意識して葉酸や鉄分を摂るのは、精神的に負担になると思いました。そこで私は、食事と併用して葉酸サプリメントの摂取を欠かしませんでした。

私の場合、早くからお腹が前にせり出していたため、妊娠中期以降からは台所に立つのもきつくなってしまいました。また胃が圧迫されて、食欲はあるもののたくさんの量を食べることができませんでした。

そんなときも妊娠前から飲んでいた葉酸サプリを継続して飲むことで、無理して料理を作ったり食べたりする負担が軽減できました。何より手軽に必要な栄養分を摂ることができ、安心感がありました。

特に妊婦用の葉酸サプリメントは葉酸を含むだけでなく、貧血対策もきちんと成されていて便利です。例えば、ベルタという葉酸サプリの成分は以下の通りです。

乾燥酵母、葉酸含有酵母、もろみ酢粉末、ミネラルイースト、ヨウ素含有酵母、卵殻膜粉末、燕の巣加工品、馬プラセンタエキス末、フィッシュコラーゲン、乾燥野菜粉末(大麦若葉、ケール、ブロッコリー、キャベツ、大根葉、かぼちゃ、さつまいも(紫芋)、チンゲン菜、パセリ、人参、セロリ、苦瓜、ほうれん草、桑の葉、モロヘイヤ、よもぎ、白菜、アスパラガス、トマト、野沢菜、れんこん)、ナンノクロロプシス、乳酸菌末、微細藻由来DHA・EPA油/貝殻末焼成カルシウム、セルロース、ピロリン酸、第二鉄、ステアリン酸Ca、ビタミンC、クエン酸、リン酸カルシウム、ラクトフェリン、ビタミンB6、ビオチン、サンゴカルシウム、β-カロテン、ヒアルロン酸、葉酸、抽出ビタミンE、ナイアシン、パントテン酸Ca、酸化防止剤、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンA、ビタミンD3ビタミンB12

赤血球を作るために必要な葉酸と共に、ビタミンB12も含まれています。さらに鉄の吸収を高めるビタミンCも配合されています。当然、1日に必要な鉄分もしっかりと含まれています。

さらに21種類もの野菜の栄養素が摂取できるので、とても便利でした。

このように妊婦用の葉酸サプリメントは、葉酸だけでなく鉄分など妊婦に必要な栄養素が網羅されています。私が妊娠中に貧血にならなかったのは、妊娠中期からも継続してサプリメントを摂取したお陰だと思います。したがって妊娠前から葉酸サプリを飲んでいない場合でも、遅いことは決してありません。

また葉酸サプリを飲み忘れた場合も、貧血予防や早産、低体重のリスク軽減のために気がついたときにしっかりと摂取することが大事です。

母体や胎児への影響がある葉酸サプリメントに注意する

では葉酸サプリメントであれば、どの商品でも良いのでしょうか。実は安価な商品(目安として1ヶ月あたり1000円未満)には、母体や胎児への影響が指摘される成分が含まれているものもあります。

例えばドラックストアには、たくさんのサプリメントが陳列されています。近所のストアには、5種類程度の葉酸サプリメントがありました。

しかし正直言って、どの商品も微妙でした。例えば以下は、CMも流れている大手メーカーの葉酸サプリの成分です。

麦芽糖、デキストリン/セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、ビタミンB6、ビタミンB2、葉酸、ビタミンB12

前述のベルタの葉酸に比べると、原材料が極端に少ないです。鉄分も配合されていません。また原材料の中で含有量が一番多いのが麦芽糖のため、毎日摂取すると糖分過多になる可能性が高いです。

ただでさえ、妊婦はホルモンバランスの不安定さから血糖値が上がりやすい状態です。日本糖尿病学会による糖尿病診療ガイドライン2016によると、妊婦が高血糖の状態になると、以下のようなリスクを伴うようになります。

  • 糖尿病合併症 (糖尿病網膜症の悪化、糖尿病腎症の悪化など)
  • 産科合併症  (流産、早産症、妊娠高血圧症候群、羊水過多、巨大児に基づく難産など)
  • 周産期合併症 (胎児仮死、胎児死亡、先天奇形、巨大児、胎児発育遅滞など)
  • 成長期合併症 (肥満、耐糖能異常、糖尿病など)

サプリメントは体質改善のために、毎日摂取してこそ意味があります。しかし糖分の多いサプリメントの場合、血糖値を押し上げ様々なリスクを高めることになります。

特に安く低品質のサプリメントであるほど、糖分を使ってかさ増しをしています。それらの多くは、ドラッグストアで見かけます。手軽に購入できるのは利点ですが、妊婦用としてはリスクがあるためおすすめできません。

また先ほどの葉酸サプリメントの場合、糖分の次に多いのがデキストリンです。主に結着剤、増量剤として使われ安全性が確認されています。ただしサプリメントの体裁を調える目的で使用されているため、健康効果はありません。

他にもセルロースは植物から採れる食物繊維で、医薬品などにも使われています。しかし、安全性は十分でない可能性があります。またショ糖脂肪酸エステルは、染色体異常の発症が指摘されています。

同じサプリメントを選ぶにしても、妊婦はこうした葉酸サプリは避けるべきです。

栄養素は自分だけではなく赤ちゃんへも運ばれています。そのためしっかりと高品質の葉酸サプリメントを摂取して、母子の健康を維持して下さい。

いつまでどれくらい飲む?妊娠中期からの葉酸サプリの必要量

では妊娠中期以降の葉酸サプリメントの必要量は、どれくらいなのでしょうか。

日本人の食事摂取基準(2015)によると、葉酸の推定平均必要量は18歳以上の女性の場合、200μgです。それに加えて妊婦は240μgの葉酸をプラスして摂ることが推奨されています。つまり1日あたり440μgの葉酸が必要だということです。

一方で実際の葉酸摂取量は、十分なのでしょうか。

国民栄養調査(平成29年)によると1日あたりの平均葉酸摂取量は20代の女性で261μg、30代の女性で248μgです。妊娠していない女性の場合は、サプリメントで補わなくても平均的には食事からの葉酸摂取で足りています。

しかし妊婦となると、ほぼ倍以上の葉酸が必要です。そのため妊娠前と同じ食事内容では当然、葉酸は不足します。

葉酸は水溶性ビタミンのため、体に蓄積していきません。そのため、毎日コンスタントに摂取する必要があります。さらに調理の際に使う水や熱で、葉酸の栄養素は半減する性質があります。

このような葉酸の特性を考慮すると、サプリメントで葉酸を補うことはとても賢い選択です。例えばベルタという葉酸サプリでは、1日の目安となる摂取量が決められています。

4粒摂取することで、妊婦が1日に必要な葉酸を摂取することができます。食品から葉酸を摂取すると、体内に吸収される栄養は代謝の過程で半減します。一方でサプリメントに含まれるモノグルタミン酸型の葉酸は、ほぼ100%体内に吸収できます。

そして葉酸サプリをいつまで飲むかについては、授乳期を終えるまでが理想です。

妊娠中はお腹が大きくなるにつれて、動きにくくなるなど大変なことは多いです。しかし私の経験からいうと赤ちゃんが生まれた後のほうが断然、大変です。

特に生まれたばかりの赤ちゃんは最低でも2〜3時間おきに授乳する必要があり、母親は睡眠が不足しがちです。またゆっくりと料理する時間も、ほぼないです。

そのような中、サプリメントで栄養を補うことで体調を維持できます。また母乳の原料は血液であるため、赤血球の形成に関わる葉酸は欠かせません。さらに貧血予防のために、鉄分などの栄養素を摂っておくことは重要です。

産後もサプリメントから確実に栄養素を補う安心感が、赤ちゃんの発育にも良い影響を与えます。葉酸サプリは、授乳期を終えるまで必要であることを知っておいて下さい。

摂り過ぎはある?過剰摂取による胎児への影響について

ただしサプリメントは手軽に栄養を摂ることができるため、過剰摂取にならないように注意が必要です。

厚生労働省では、葉酸の耐用上限量(健康リスクがゼロである上限値)を以下のように定めています。

18歳~29歳30~69歳70歳以上
900μg1000μg900μg

さらに耐用上限量を超えて葉酸サプリメントを摂取した場合のリスクについて、厚生労働省の報告には以下のような記載があります。

いわゆる栄養補助食品は、簡単に摂取できるため過剰摂取につながることも考えられます。また、それらをたくさん摂りすぎるとビタミンB12欠乏の診断を困難にすることもあります。

医師の管理下にある場合を除き、葉酸摂取量は1mg(1000μg)を超えるべきではありません。そして、栄養補助食品を利用することが、日常の食生活をおろそかになることにつながらないよう配慮することが大事です。

ビタミンB12欠乏症の方が葉酸を過剰摂取した場合、症状の一つである貧血が改善することがあります。

ただ、貧血症状が治まっただけであり、ビタミンB12欠乏症であることには変わりがありません。そのため、ビタミンB12欠乏症の診断や貧血以外の神経症状の発見が遅れ、治療に支障が出てしまいます。

また葉酸の過剰摂取により、逆にビタミンB12欠乏症による貧血や神経症状が悪化することもあります。

胎児への影響については以下のような報告があります。

オーストラリアのアデレード大学の研究チームが550人を対象に行った調査では、妊娠後期(16〜30週)に入っても葉酸サプリを摂取し続けた女性で、生まれた子どもが喘息を発症する確率が約30%高くなることが分かった。

American Journal of Epidemiology  2009年11月4日号

ただし葉酸の過剰摂取と胎児への影響についての言及は、この調査以外では見受けられませんでした。また同研究では、「葉酸を含む食品(葉酸強化食品)を摂取する場合は、生まれた子どもの喘息発症リスクに上昇は見られなかった」としています。

したがって葉酸がぜんそくの直接の原因というよりは、添加物の有無などサプリメントの質を考慮する必要があるといえます。また調査で使用された葉酸の量は不明確です。

なお、妊婦用の葉酸サプリでは特別な理由がない限り、1日400μgの摂取に設定されています。また葉酸は水溶性のビタミンであり、余計に摂取した分は尿として体外へ出ていきます。したがって葉酸サプリの摂取量を守れば、摂り過ぎの心配は全くありません。

18〜29歳の女性が妊娠中期以降に葉酸サプリメント(1日400μg)を摂取するにしても、残り500μgを食事から摂取しない限り、耐用上限量の900μgには届きません。

具体的には、以下の写真の野菜(350g)で葉酸を200μg摂ることができます。

したがって500μgの葉酸を摂るためには、この2.5倍以上の野菜を食べる必要があります。1キロ弱の野菜を毎日食べ、食品から500μgの葉酸を摂るのには無理があります。

したがってサプリメントの用量を守れば、過剰摂取する心配する必要はないです。

まとめ

妊娠中期以降は赤ちゃんが細胞分裂を繰り返し、どんどん大きくなる時期です。このときに葉酸が栄養素となって、細胞分裂に必要な核酸を合成します。葉酸が不足すると、核酸がうまく作られず赤ちゃんの発育に影響が出てしまいます。

また妊娠中期からは必要な血液量が増えるため、貧血だと診断される人が多くなります。妊婦の貧血は疲労感や赤ちゃんの低体重や早産など、母子の健康に影響を与えます。そのため鉄分と共に、赤血球を作る葉酸を摂ることが大事です。

食事から葉酸を摂るのには無理があるため、妊娠前から飲んでいた妊婦用のサプリメントを妊娠中期以降も摂取するといいです。サプリメントに含まれる葉酸は、体内でほぼ100%吸収できます。

飲んでいなかった場合でも、気がついたときから飲むことが大事です。そして貧血予防や母乳育児をスムーズにするために、妊娠後期、出産を経て授乳期を終えるまで継続して摂取しましょう。

葉酸サプリメントはドラッグストアにもたくさんあります。しかし、添加物が含まれている場合も多いです。

ただしサプリメントは手軽に摂取できるため、必要量を必ず守るようにします。記載されている摂取量を守れば、過剰摂取の心配はありません。

妊娠中期から葉酸サプリを摂取しても遅いことはありません。葉酸を摂取し、マタニティライフをぜひ楽しんで下さい。