妊娠初期の妊婦のアルコール摂取(お酒)の影響とは?
公開日:
        
        :
         最終更新日:2018/04/18        
        葉酸                
      
妊娠したらアルコール(お酒)はNGと言われていますが、妊娠超初期や初期の頃は妊娠に気がつかない方も多いですから、そうとは知らずに飲酒していた・・という方も多いのでは?
そうなると、お腹の赤ちゃんは大丈夫かな?悪い影響はないの?と心配になるママや、中には、お酒が好きなんだけど妊娠中は全く飲んじゃだめなのかな・・?などと疑問に思うママも出てくるかもしれません。
そこで今回は、妊娠中のアルコール摂取(お酒)の影響について、妊娠初期に特にスポットを当ててご紹介していきたいと思います。
妊娠中、ママがお酒を飲んだらどうなる?
お腹に赤ちゃんがいる状態でママが飲酒をすると、ママの体内では血中のアルコール濃度が高くなり、胎盤で繋がっている赤ちゃんの元へ血液中の酸素や栄養分と一緒にアルコールも運ばれることになります。
大人の場合、飲酒をしたとしても肝臓でアルコールを分解することができますが、赤ちゃんは肝臓の機能が未発達なため、アルコールを分解することができずに、長時間体内に残ったままになるのです。
また赤ちゃんの身体はまだまだ発達途中で小さく、アルコールへの免疫もできていません。そのため、赤ちゃんが体内に入ったアルコールを排出するのにママの2倍の時間がかかってしまうと言われています。
つまり、ママがアルコールを摂取すると、赤ちゃんは長時間酔っぱらった状態になってしまうということなのです。免疫も身体の器官の発達も十分でない身体で長い時間酔っぱらった状態になるということは、身体に悪影響を与えるだろうと容易に想像がつくはず。
その想像を裏付けるかのように、最近の研究では、ママが妊娠中に飲酒をした場合、胎児の神経細胞を発達させるための必要な物質がアルコールによって正常に作用しなくなる、アルコールを代謝する段階で有害物質が発生し、細胞を傷つけ、結果、胎児の障害や奇形が起こるリスクを高めるなどと考えられています。
妊娠超初期や妊娠初期の飲酒の影響は?
妊娠中の飲酒が赤ちゃんに悪影響を与えることは明白のようですが、妊娠超初期や妊娠初期の飲酒の影響はどのような形で表れてくるのでしょう?実は、妊娠超初期と初期では影響の仕方が違うのです。その点を見ていきましょう。
妊娠超初期
妊娠4週未満の「妊娠超初期」の飲酒というのは、毎日大量に摂取していない限り、赤ちゃんへの影響はほとんどないと言われているようです。
何故なら、この時期の赤ちゃんは身体の器官が形成されておらず、ママの胎盤も完成していないため、血液を通じて赤ちゃんのところへアルコールを運ばれていないから。
しかし、医学的には妊娠中のどの時期にどれくらいアルコールを摂取したら赤ちゃんに悪影響が出るのか?ということは、まだ解明されていません。そのため、妊娠がわかったら、その時点でお酒をやめるのが今のところの最善策となりますし、妊活中のママもお酒を飲まないようにする方がいいでしょう。
さらに、妊娠中の飲酒によって胎児に起こる先天性疾患を「胎児性アルコール症候群」と言いますが、アメリカの研究では、アルコール依存症の妊婦からは3割もの「胎児性アルコール症候群」の子どもが産まれてくる、アルコールを摂取していないママから生まれた赤ちゃんに比べて死亡率が高いなどといった報告がなされているようです。
そのため、厚生労働省も胎児性アルコール症候群は「少量の飲酒でも妊娠のどの時期でも生じる可能性があることから、妊娠中の女性は完全にお酒を止めるように」と呼びかけています。
「胎児性アルコール症候群」とは、母親の摂取したアルコールの影響によって、低体重・低身長などの成長の遅れ、発達障害や行動障害などの中枢神経系の異常、小頭症・小さい目・低い鼻などの特異的顔貌などを引き起こす先天性疾患。
外見だけではなく、ADHD(注意欠如/多動性障害)や成人後の依存症リスクなどが見られるとされています。
この胎児性アルコール症候群の治療法はなく、唯一の対策が、妊娠中に飲酒をしないことであるので、妊娠超初期でも妊娠が分かった時点でお酒を止めるのが一番となります。
妊娠初期
妊娠初期とは妊娠2~4ヶ月、週にすると妊娠4週~15週のこと。
この時期になると、赤ちゃんの重要な器官の形成が始まってしまうため、飲酒の悪影響が出やすい時期と言われています。そのため、この時期の飲酒はご法度!
妊娠が分かったら、すぐにお酒を止めましょう。
しかし、妊娠がわかってからお酒を止めたとしても、それまでの飲酒の影響が心配ですよね?ただ、妊娠中であっても、ママがストレスをためるぐらいなら少量なら飲んでもいいのではないかという専門家もいるそうですし、欧米ではビール250ml程度の「1日1杯、週に7杯」ならば胎児性アルコール症候群の危険性はないと言われているそうで、その判断基準はバラバラ。
欧米人に比べて身体の小さい日本人がこのルールに当てはまるかというのも疑問ですが、日本人妊婦がどのくらいであれば飲酒してもいいのか?という研究などはまだ進んでいないのが現状です。
ただ、今、お腹の中で赤ちゃんが元気に育っているのなら、ママはあまりくよくよ考えこまない方がいいはずです。お酒を飲んでいたとしても飲んだしまった過去は取り戻せませんし、それを悔やんでストレスを抱えてしまうとお腹の赤ちゃんにもよくありません。
それよりは、これから先、きっぱりとお酒を止めて、ママが毎日穏やかに過ごし、バランスのいい食事を摂る、お腹の赤ちゃんにたくさん話しかけるというような赤ちゃんの発達にプラスになるようなことをいっぱいしてあげる方がいいのではないでしょうか?
それから、飲酒というと妊娠初期が一番危ないと言われがちですが、成長障害や脳の障害などは妊娠中期~後期での飲酒の方が悪影響を及ぼすとされているとか。基本的に、妊娠の全期間を通して飲酒は何らかの影響が出る可能性がありますので、妊娠中はお酒を控えるようにしましょうね。
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