妊婦さんに温泉はタブー!という話を聞かれたことがある方も多いと思いますが、実は2014年、環境省が温泉施設に掲示を義務付けている注意書き等から「妊娠中は温泉への入浴を避けるべき」という項目を削除すると発表!

つまり、公に晴れて「妊婦さんも温泉に入ってよい」と示されることになったのです。
いろいろとストレスのたまりがちな妊婦ライフ。温泉に浸かってゆっくりとその疲れを癒すのは気持ちがいいことですから、嬉しいですね!

ただ一方で、妊婦さんはやはり普通の身体ではないので、温泉への入浴に関して気をつけていただきたい事もあります。そこで今回は、妊婦さんが温泉を楽しめるように、温泉へ入れるようになった理由から、温泉へ入る時の注意まで、バッチリご紹介していこうと思います。

妊婦さんに温泉がタブーだった理由とは?

温泉施設に行くと必ず見かける「温泉の注意書きと効能」
これは、温泉施設側が利用者に対して必ず掲示しなければならないもので、そこには長い間、「利用を避けた方がいい」ケースとして「妊娠中(特に妊娠初期と末期)の方」が挙げられてきました。

しかし、2014年、環境省は32年ぶりにこの掲示の内容について見直しを行い、「妊娠中は温泉への入浴を避けるべき」という項目が医学的根拠に欠けるとして、削除することを決定しました。

そもそも32年前に「妊娠中は温泉への入浴を避けるべき」と決定された理由も、今回の調査に当たった環境省によれば「よく調べたが、なぜ書かれているか分からなかった」とのこと。そんなことってあるんですねー!

何にせよ、温泉は妊婦さんには何の害も与えないと分かって、一安心です!

妊婦さんが温泉を楽しむ際に気をつけたいこと!

2014年の見直しによって、晴れて大手をふって温泉に入れるようになった妊婦さんですが、身体にさわらないように楽しむためにはいくつか注意していただきたいことがあります。

転倒

妊婦さんが入浴する際に一番気をつけたいのが、転倒です。
普段ならば、転倒したとしても「イテテ・・」で済むところですが、妊娠中はお腹に大事な赤ちゃんがいるため、転倒によって悪影響を与えてしまう危険性があります。

特にお腹が大きくなってくると足元が見えにくくなりますので、足元をよくチェックする、濡れたところは避ける、手すりにつかまって歩く、家族と一緒に入浴するなど注意してくださいね。

今は温泉施設でも妊婦さんに安心してきてもらえるように「マタニティプラン」などを用意してくれている所もありますし、家族風呂などを借りて夫や家族などと一緒に入るというのも安心できると思います。

のぼせ・長湯

温泉に浸かっていると温かく、気持ちがいいものですが、妊婦さんに長湯は禁物!
妊娠していると普段よりのぼせやすくなると言われているからです。

そのため、1回の入浴は10分以下がおすすめ。
ママの身体が温まるのはいいことですが、それも限度が過ぎると、お腹の赤ちゃんも温まり過ぎて体温が上がってしまうため、かえって母子ともに身体に悪い結果になってしまいます。

もちろん、途中に休憩を挟みながらまた温泉に浸かるのはOKです。ただし、普段よりものぼせやすいということは忘れずに!温泉から上がった後は、しっかりと水分補給するのも必須です!

それから、妊娠中は貧血立ちくらみを引き起こしがち!温まったからと急に湯船から勢いよく立ち上がるのは危険ですよ。注意しましょうね。

また、42℃以上の高温の温泉や、逆に30℃以下の低温の温泉は血圧が上昇してしまう作用があるので、妊婦さんは避けた方が無難です。

刺激の強い温泉

一口に温泉といってもその成分は様々で、硫黄の匂いのする硫黄泉やアルコール臭のする癖の強い温泉、濃い塩水の食塩温泉など、匂いに敏感になったり、デリケートな肌になったりしがちの妊婦さんにはあまりおすすめではないものもあります。

妊婦さんにおすすめなのは、単純温泉
肌への刺激も少なく、匂いもきつくありません。中でも、箱根の湯などに代表される「弱アルカリ性単純泉」は、古い角質を分解し、肌がすべすべになるという『美肌の湯』!女性にとっては嬉しい効能ですし、ホルモンの関係からお肌が荒れがちになる妊婦さんにはもってこいのお湯ですね。

妊娠初期・後期の時期

妊婦さんに温泉は害ではない・・と公にも認められましたが、温泉にちょっと不向きな時期もあります。それが、妊娠初期と後期

妊娠初期に温泉がおすすめできない理由は、まず「つわり」の時期であること。この時期はちょっとした匂い湯気などでも気持ちが悪くなり、吐いてしまうという方が多いのです。

また、妊娠初期は流産の可能性が高い時期でもあること。これも理由の一つです。温泉施設に行くには旅行であったり、車や交通機関での移動を伴ったりすることが多いはず。長い時間の移動はママの身体にも負担ですし、人ごみで疲れたり、転倒してしまったりする危険性も少なくありません。この時期はなるべく負担の少ない生活を送ることの方が大切になってきます。

また、妊娠後期にはちょっとした刺激で破水してしまう可能性が高くなる時期。旅先で破水してしまったら、そのまま見知らぬ病院で出産・・ということにもなりかねません。

そのため、妊婦さんが温泉を楽しむなら、安定期である「妊娠中期」が一番おすすめになります。

いかがでしたか?温泉には、筋肉や交感神経などの緊張を低下させる作用があるので、リラックスすることができると言われています。

特に、妊婦さんにはマタニティーブルーやストレスを和らげてくれる効果が期待できますし、身体を温めることで冷え性の改善効果も見られるはず。

温泉に入る時期や温度、時間、温泉の種類など気をつけたいことはありますが、賢く利用してHAPPYなマタニティーライフ作りに役立ててくださいね。